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酒の道、食の道(金城拓)

第8回 書籍紹介 「知識ゼロからの日本酒入門」

さて、てんまみちを教えてもらってから
日本酒は美味しい、という事を知った私ですが、
店長さん、社長さん、杜氏さんに
色々なお話を伺ったものの、
酔いも手伝って、様々な薀蓄は
右から左へスル〜・・・

お酒の銘柄さえもロクに覚えていない有様でしたが、
それでも何度も聞くうち、いくつかの言葉は
記憶に刻まれていますが、それがどういうことなのか、
説明できない・・・

そんな記憶力が乏しい私の強い味方が
今回ご紹介する、
「知識ゼロからの日本酒入門」
尾瀬あきら著 幻冬舎 です。

著者の尾瀬あきら氏は
マンガ「夏子の酒」の著者でもあります。

そのため、この本は「夏子の酒」の1シーンを使ったり、
書き下ろしのマンガ、イラストがふんだんに使われています。
また、基本的に見開き2ページで1項目となってて、
とてもわかりやすい構成になっています。

第1章 燗酒に親しもう!
では、昨今、日本酒を冷で飲むことが
当たり前となってきてますが、
そうではなく、燗にして飲むことの
美味しさ、楽しさについて書かれています。

第2章では純米酒の種類や
グレードについての解説が書かれています。
原酒と生酒の違い、聞き酒の
やり方などが書かれています。

第3章では日本酒の造りについて書かれています。
日本酒は世界でもっとも複雑で繊細な作り方をするそうです。
お米は糖分を持ってないので、発酵しないのですが、
麹の力を借りて発酵させます。

第4章ではお酒の選び方について書かれています。
とはいえ、味覚は人それぞれなので、
こうしなければいけない、というものではなく、
例えば縁のある土地のお酒を飲む、とか、
ネーミングやラベルで選んでみる、とか、
そうやって色々飲むうちに、自分の好みを見つけましょう、
というものです。

第5章では蔵の紹介をしています。
日本酒は作り手の顔が非常に良く見える
お酒です。特に杜氏さんの腕によって、
出来が大きく左右されますので、
有名な杜氏さんになると、ご自分の名前がお酒の
銘柄名になることもあります。
造り手の顔を思い浮かべながらやる一杯も乙なものです。

そうは言っても結局は味覚で楽しむものですから、
知識よりもまず、自分の舌で味わうことが重要です。
その上で少し知識をつけ、また味わい、また学ぶ。
その繰り返しによって、さらに奥深い
魅惑の世界へと入っていけるのです。

そのための最初の一冊として、本書をお勧めします。

2005/09/19