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変化是機会(上野陽子)
第57回 房東の常識に囚われないように
知人のマンション賃貸をお手伝いしています。
物件は、上海の一等地にある高級物件。
最上階のメゾネットで広さは約300平米。
となると、お客様は中国人ではなく外国人の方
特に欧米系企業の総経理の方などになります。
日系企業の総経理の方は
家具付き、ハウスキーピング付きの
150-200平米ぐらいのサービスアパートメントを好むのですが
欧米系の方は、広い部屋を好み、
ご自身で部屋のコーディネートをしたい
という希望を持っているため
マンション物件を探す人が多いようです。
私も、すっごく、ビックリしたんですが
今回、賃貸契約を結ぶアメリカ系企業の副総経理ご夫婦。
なんと、船輸送でアメリカから家具を持ってくるんだそうです!
ソファーやら、ベッドやら、テーブルやら...全部ですよ!全部!!
上海でも家具は買えると思ってたんですが
希望するクオリティの家具が上海では手に入らないんだそう...。
こんなお客様なので、他にもさまざまな要求が...。
例えば、カーテン。
安いカーテンでは、部屋とのバランスが取れず
さらに、インテリアにこだわりのあるお客様のニーズを満たせません。
今回は、房東(オーナー)側がカーテンを用意する契約内容になったので
上海でも、かなり高級なカーテンを購入する必要があります。
他、冷蔵庫、洗濯機などなど
クオリティの高いものを用意する必要があったりします。
通常、
上海では、房東が用意した家具、家電製品などを
そのまま使用するケースが常識ですが
今回お手伝いしているような高級物件の場合
上記のような、こだわりがあるお客様が多く、
あらかじめ家具を用意すると好まれない場合が多いのです。
もし、房東が家具を用意するとしても
お客様の意向を聞いてから家具を用意する。
その方が得策なのだと言います。
うっかり、上海の常識と考えて、あらかじめ家具を用意してしまうと
「趣味に合わないから」と、部屋を借りてもらえないリスク
「安い家具だから」と、家賃を値引きされちゃうリスクが
高くなっちゃうのだと思います。
現地の常識を知ることは大切ですが
その常識に囚われない柔軟な発想が常に必要なんですね。
2006/09/06