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変化是機会(上野陽子)

第45回 上海からは日本がよく見える

「上海に行けば、上海が、中国が見える」
そう思って、上海に来た私ですが

以外にも、上海からは日本がよく見えます。

お手伝いしている不動産のお仕事では
日系企業の方に電話したり、お会いして、お話を伺えます。

ベンチャー企業から、一流と呼ばれる大手企業まで

コンタクトを取る相手は
「総経理」と呼ばれる日本人の上海支社長さん達。
会社の代表者です。

長く海外で支社長を務め、
特に、中国エリアで経験を積んだ方たちは

とにかく
「情報を多く集めることが大切」
というのをよく知ってらっしゃいます。

そして、多くの情報にフィルターをかけ
本当に必要な情報をピックアップする術も持ち合わせています。

さらに、こちらに投げてくるリクエストも明確で決定が早い。

傾向としては、
どちらかというと中小規模な企業や
もしくは、商社系企業の支社長さんが、こんな感じの方が多いです。

しかし、残念なことに、
中国人スタッフにまかせっきりだったりする企業もちらほら。
情報に耳をふさいでしまう方もいらっしゃいます。

うーん、確かに支社長さんはお忙しく、
現地の状況がわからないのかもしれませんが...。

でも、現地スタッフにすべて任せてしまうと
適正な価格でオフィスを借りることは出来ないんですよね...。

以前、日系企業の社長さんがお話してくれました。

「オフィス決めは、企業にとっては重大決定事項。
 だから社長の大事な仕事の一つなんだよ。」

そういえば、世界各国に支店を持つ日本の某大手企業は
上海の事務所を決定する際に、
本社の社長自ら出向いて賃料の交渉をしたのだとか。

中国は日本から近いので、こられたのかもしれませんが
なるほど、こういう企業なら

「日本人の、しかも本社の社長が常に目を光らせてる」って感じますし
中国人スタッフも上手く管理して、中国でのビジネスも上手くいくんだろうなぁ。

打ち合わせでお仕事の話をするほか
その企業の事業内容についても詳しく聞けたりして。

あわせて、四季報や有価証券報告書を見るようにしているのですが
「なるほどー」とその企業のことがよく見えてくる気がします。

日本にいたら知ることの出来なかった「日本」を
上海から垣間見ることができ、とっても楽しいです。

2006/06/04