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変化是機会(上野陽子)

第42回 マンション・オーナーはどんな人?

不動産会社では
オフィス不動産仲介のお仕事をお手伝いしているのですが

とある、オーナーが所有するマンション物件の
売買・賃貸のお手伝いもすることになりました。

具体的には、
日本在住のオーナーの方に代わって

不動産を買いたい、借りたいというお客さんを持つ
客付け不動産会社の営業さん対応や

賃借人から、家具や施設についての要望を聞いて、オーナーに伝えたり
内見という、実際に部屋を見てもらう手続きをしたり
現在の価格の相場をオーナーに伝えたり
などなど。

これが、またまた、面白い。

例えば、
賃貸物件で、部屋を案内する時のお仕事の一つに
「オーナーがどんな人なのかを賃借人に説明する」
と、いうのがあります。

上海では、房東(ふぁんどん)と呼ばれるオーナーと
部屋を借りる賃借人の関係が、とっても重要です。

なぜでしょうか?

それは、オーナーと交渉する機会がとっても多いから。

例えば、
中国一発展している都市の上海であっても
不動産管理に関するシステムが確立していません。

日本であれば
オーナーさんが自分で管理をする場合もありますが
管理を委託されている不動産管理会社が対応をしてくれますよね。

なにかトラブルがあった場合でも
管理会社が間に入って調整をしてくれます。

管理をメインとする不動産会社があるぐらいですから
「不動産管理」の仕組みがしっかり確立されています。

それに、そもそも、日本では
洗濯機や冷蔵庫などを含めた家具は
賃借人の持ち込みがほとんど。

でも、上海では、トイレなどの水周りのトラブルや
あらかじめ部屋に備え付けられている
洗濯機、冷蔵庫などの故障が頻繁に起こります。

上海でも
不動産開発会社が保有している大規模物件であれば
一括でマンションの管理も行っていますが

個人オーナーが所有している場合
なにかトラブルがあると、直接、オーナが対応。

仮に、もし変な(?)オーナーの物件だと
トラブルになっちゃう場合も...。

この物件の話ではないですが
マンションに住んでいる友人達は

・トイレが壊れても、なかなか修理をしてくれない
・備え付けのボロい洗濯機が壊れ、
 新しく買うときに、なぜか半分払わされそうになった

などなど、

トラブル発生時に直接オーナーと交渉しなくてはならず
なおかつ、気を緩めると理不尽な対応をされそうになったとか。

今回、お手伝いしている物件は
上海市内でも超高級物件なので、

マンションに管理室がありますし
上記のようなトラブルは少ないかもしれませんが

故障の他にも
家賃の不当な値上げとか、
突然、退去を宣告されちゃったりとか
賃借人にとっては、さまざまなリスクが考えられます。

なので、
内見でマンションを見に来た方々には
オーナーがどんな人か、トラブルがあった時の対応方法をお伝えし
「信頼でき、常識のある交渉が出来る良いオーナーですよ」、と
説明を加える必要があったりするのです。

*補足
 中国でも不動産管理会社がありますが、共用部分の管理がメインで、
 専用部分(部屋の中)にトラブルがあった場合は、
 オーナに直接問い合わせるか、仲介会社に問い合わせてオーナに連絡をする、という感じです。

2006/05/14