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変化是機会(上野陽子)

第41回 交渉の現場(2)

前回に引き続き、売買交渉のお話です。

別の部屋にいた購入希望者Cさんは
どうやら、ご家族と一緒に来ている模様。

キレイな奥様と、ご親戚らしき年配の女性が2人。
計4人で、会議室に入ってきました。

Cさんは事業家という感じで、笑顔が素敵です。

しかし、奥様と年配の女性2人は
腕を組んで仰け反り気味で、明らかに、戦闘態勢(笑)

ともあれ、
まずは、名刺交換をして、ご挨拶。

お互いの仕事内容や、上海に暮らしについてなどなど
和やかな感じで、Cさんと当たり障りのない話をします。

どうやら、このCさん、上海では有名な事業家のようで
ご自身の記事が掲載されているビジネス雑誌を、営業マンが見せてくれて

「Cさんは、成功している事業家で、本当に買う気があるんですよ」
と、説明しつつ、マンションの話にに移ります。

この時点で、価格の折り合いがついておらず
お互いに譲る気配はない感じ。

こちらが、「うーん...」とうなっていると
おば様の1人が
「あなたねぇ、こんな価格で売れるチャンスは今しかないのよ!」
と、迫力のある声で根拠のない強気な発言...。

さらに、「うーん...」と、唸っていると
迫力のあるおば様が、バックをガサゴソ...。

「何してるんだろう?」と見てると
5万元の札束(100元札×100枚×5束)を
テーブルに置きました。

どうやら、現金を目の前に出して価格交渉するのが
「本気だぞ。お金持ってるぞ。だから安くして(?)」
という、意思表示のようです。

そういえば、私の小さな買い物のときも
価格交渉の途中で、財布からお金を出し始めると
お店の人は、ぶつぶつ言いながらも、売買成立してたっけ...。

その後も、交渉トークは続いていき、
結局、交渉に3時間かかりました...。

ちょっと、疲れたけど
お客、営業マンなどの反応、言動が見れて
とっても、面白かったです。

ちなみに、結果はというと
この時の感触で、物件価格が上がりそうだと感じ
結局、売るのはやめたのでした。

2006/05/07