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変化是機会(上野陽子)
第32回 嫌いな人
若かりしころ
と、言っても、人生の先輩方から見れば
今もまだまだ、若かったりしますが(笑)
私は、白黒ハッキリさせる
好き嫌いをハッキリさせる
0か1かハッキリさせる
そういう性格で、おまけにせっかちでした。
さらに、そんな自分を
「ハッキリしててかっこいい!」とさえ思ってました(大笑)
好き嫌いは、人に対しても同様で
自分の考えと異なる相手には拒否感を強く感じ
しかも、往々にして
第一印象とか、出会って間もない頃に
好き嫌いを決めてしまい
嫌いな人に対しては「嫌い」と表現し
顔をぷいっ、と背けてしまう。
そんな子でした。
しかし、
仕事をはじめるようになった頃
「欲」が出てきたからか
嫌いな人でも、
「一緒に仕事をしたほうが得だ」と思えば
「嫌い」な感情を押し殺し
その人と行動を供にするようになりました。
でも、
元来、好き嫌いのハッキリしている私ですから
そんな状況が快適なはずはなく
どんどん疲弊していき
結局は、
最悪の形でその人と離れてしまった事もあります。
さて、
今は、どんな感じかというと
いろいろな出来事を経験してきて
物事も、人も、多面的である事が
やっと実感できるようになりました。
そうは言っても
もちろん、好き嫌いの感情はあるので
「嫌だなぁ」と思うことも多々あります。
ただ、それで、その人との関係を切るのではなく
「嫌だなぁ」を抱えつつも
「ちょっと距離を置いてみよう」と極力考えて
白、黒ではなくグレーにし
好き、嫌いではなく普通にし(笑)
0、1ではなく、0.5ぐらい(意味不明ですが(笑))
こんな感じに、意識をもっていくようにしています。
ポイントは
自分の感情を押し殺すのではなく、生かしつつも
ちょっと離れてみよう、と思うことです。
すると、
第一印象とは異なった面が見えたり
嫌いな面のほかに、まぁまぁな面が見えたり(笑)
なにより
「嫌いだ」と定義しないことで
自分自身が、とっても楽になりました。
この、人との付き合い方の変化は
海外生活において、効果を発揮してると思います。
なにせ、相手は違う文化を持つ外国人。
「そんなの、ありえないー!」って事が
毎日のように繰り広げられるので(笑)
母には
「あんたも、丸くなったのねぇ」と言われますが(笑)
そんな母は、常々
「嫌な人でも、その人の良い所を見つけてみなさいね」
と、私に言ってくれてました。
最近になって、
ようやくその意味と効用が理解できた気がします。
2006/03/05