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変化是機会(上野陽子)
第8回 楽しい不便
外国暮らしには、不便なことが多くあります。
言葉を覚えるために留学しているとはいえ
現地の言葉が話せなければ
なおさら不便さが増します。
たとえば、学食でゴハンを食べようにも
どういうシステムになっているのかがわかりません。
長蛇の列に並んで、
やっと、ゴハンが食べられる!と思ったら
「食券を先に買わなきゃだめだ」
と、付き返されたり
また、一生懸命、メニューにある食べ物の名前を言っても
相手に通じなかったり。
言葉が通じない自分自身に情けなさを感じているのに
さらに、お店のお姉さんに睨まれたりすると
ダメージが増大してしまいます。
(上海では、よく、人ににらまれるんです)
こんなことがあると、
面倒なところから、遠のいてしまいそうになるのですが
こういう時に、ちょっとだけ、踏ん張ってみます。
前回の失敗で、
食堂のシステムはわかったので、先に食券を買います。
「よし、食券買えたわ。
これで、ゴハンの列に並べばいいのよね。」
事前に、食べ物の名前の発音練習をして、
再度、言ってみます。
「うっ、また通じない...。
明日、先生に発音を聞いてみよう...。」
クラスで勉強した、
量詞(個、毎、杯など)を、試しに使ってみます。
「1杯のお茶って通じたわー!」
こうやって、ちょっと踏ん張ると
少しずつ変化し、少しずつ成長している自分が感じられて
そのうれしさが、
モチベーションを保つのに、とっても有効だったりします。
そして、この不便さを克服していった経験は
後に、とっても良い思い出となって、
自分の大切な財産になると思うのです。
2005/09/23