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中国株勝ったり負けたり(豊田大志)
第9回 タネ銭のつくり方
私は東京の学生生活を終えて故郷で就職することを、
恩師に報告に行きました。
敬愛する恩師はその折に
「タネ銭を作ってみよ。500万円貯めてみよ。」
と言われました。
自宅通勤の私は、5万円の給料から
天引き貯金毎月3万円、ボーナス時30万円、
利子込みで年間100万円の貯金に挑戦しました。
昭和48年のことです。
100万円になると金、株を買いました。
金は90万円で買って300万円で売り抜けました。
数年後、1000万円貯まりましたとご報告しました。
恩師は、すっかり忘れておられて
大変びっくりされました。
タネ銭の効果は予想以上でした。
私はその後、どこの銀行でも物おじしなくなりました。
心に見える風景が変わりました。
しばらくして邱永漢さんの
「賢者は中金持ちを目指す」を読みガッテンしました。
今、若い方々にあえておすすめします。
「タネ銭をおつくりなさい」と。
今の日本は実に豊かです。
このことは、発展途上国へ行けば実感できます。
しかし、この繁栄がいつまでも続くかどうか
分かりません。
日常生活では、多少の不自由を残しておいて、
それを、楽しみとするくらいがよいのです。
古人は「不自由を常と思えば不足なし」
と言っておられます。
そして、蓄えた資金を経済成長著しい国で運用すれば
自分だけでなく、国益にもかなうこととなります。
タネ銭つくりの過程は、中金持ちへの学習期間です。
お金を貯めるプロセスで経済知識が身につき、
忍耐の心が養われ、
さらに経済の知恵が湧いてくるようになります。
不思議なものです。
この期間は非常に重要です。
しかしながら、多くの誘惑の中でこれを実行するのは、
あたかも障害物レースで勝ち残るようなものです。
強い意志と決然とした実行力が必要です。
ハイQや戸田ゼミの読者ならきっと可能です。
あなたも今よりタネ銭づくりに
挑戦してみてはいかがですか。
2006/02/27