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中国株勝ったり負けたり(豊田大志)

第5回 ペトロチャイナの大失敗

ペトロチャイナとの出会いは2001年5月です。
B株開放時の売却益で購入しました。

中国最大のこの石油会社こそ、
投資の中核に据えようと考えました。
平均1株20円程度でした。
配当が多く孝行息子でした。
上海旅行の折は行く先々で会社名を見て、
嬉しく思いました。

本当は、運良く出会ったこの銘柄を
大切に保ち続けなければならなかったのです。
あの時点で買えたのは、全くすばらしいことでした。
難を言えば、値動きが重く、単調で
投資家として退屈な日々でした。
つい刺激を求めて名古屋駅前の大型書店を
ブラブラしている時に出会った1冊の書物の
語りかける誘惑に負けてしまいました。
初心を忘れてしまったのです。

著者は、ワーサンガスだけでなく
首都信息(キャップインホ)をも強く
推奨しておりました。
私はそれにすっかり同調して
しまいました。

2003年夏頃からボロ株たちを買い始めました。
そして2003年12月には
ペトロチャイナを全部売っておりました。

ところが年が明け2004年1月から
ペトロチャイナは上昇を始めました。
4月ごろには「ウォーレンバフェットが購入した」
とのニュースが流れ、さらに上昇していきました。
あれから2年、今では7HKDを超え、
1株100円以上になりました。

今にして思えばペトロチャイナこそ
バフェットさんのおっしゃる
「要塞のような企業、
同業他社を大きく引き離した特権的企業」
そのものでした。

私は、いい時期にペトロチャイナを買いました。
しかし、配当は多いが単調な値動きの日々に
退屈しました。そして、愚かにも、
つい刺激を他に求め大失敗をしました。

あたかも女房と生涯を共にするように、
ほれ込んだ銘柄を保って、
「一に忍耐、二に忍耐」「辛抱辛抱また辛抱」と
お経を唱えておれば良かったのです。

まことに、株式投資は邱永漢さんのおっしゃるように、
私にとっての精神修養の道場そのものなのです。

2006/01/30