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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第141回 上海の高齢者施設は、とてもきれいでした。

上海市にある公立の高齢者デイケアセンターと
民間の高齢者アパートを訪問することができました。

塘橋という地区にある高齢者デイケアセンターを
まず訪問しました。
予想をしていたよりもはるかに、
立派できれいな施設でした。
狭い場所に大勢の人がひしめき合っている様子を
想像していたので正直驚きでした。
現在、
浦東新区だけでこのような施設が
8か所あるということですが
将来的には、
全市にコミュニティ単位で(塘橋のコミュニティーは3.4平方キロ)
1か所は設けたいとの計画があるようです。

公立施設だけあって、
利用料金も大変リーズナブルになっています。
この地区で60才以上の利用対象者が5000名ほどいるそうですが、
1500名が利用しているとのことです。
詳しくはわかりませんが
利用待機の人が相当数いるようです。

この施設は、
ほぼ自立している人が利用されています。
車いすや杖を使用している人は見かけませんでした。

次に親和苑という高齢者アパートを訪問しました。
日本でいうところの有料老人ホームというのがちかいでしょうか。
一人現在98万元の会員権を購入した上で、
一年間の管理費3万元から7万元を支払って入居できます。
広大な敷地に
16棟の施設があり、
病院、食堂も配置されています。
入居されている方に聞くと
入居は、
自分でいろいろな施設を見て回って自分で判断されたとのことで、
現在兄妹の3名で入居しているので寂しくないし、
快適であるとのことです。
欲を言えば、
街から少し離れているのが不便であるが、
ここにいれば何も心配いらないので問題はないとのことでした。

全体でアパートというよりは、
高級マンション・ホテルという感じがするのですが、
834戸あり、
7割近くが入居しているという状況から
施設の人気が窺われます。

日系企業の福祉分野への参入もいろいろと試みられていますが、
公立施設の利用費のやすさと有料老人ホームは
不動産売買という面がかなり濃いような気がします。
そのあたりが、
日本の福祉という考えと大いに異なるような気がします。
なかなか難しい問題ですね。

 とうさん

2013/05/25