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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第58回 中国は、今年も電力不足です。

ろとくんへ

夏本番という感じでこちらも暑い日々が続いています。
上海は、湿気が多く、蒸し暑く、
体感温度は、実際より高いような気がします。

日本では、
東北地区大震災の影響で
工場の操業日を土日に変更したり、
お昼休みの時間を変更したり、
またスーパークールビズを実施するなど
節電の工夫が凝らされているようですね。

こちらでも毎年電力不足は言われています。
去年は、上海万博の影響のため、
今年は、石炭高騰のため発電所の操業を抑えているためなどで、
中国全土で4,000万KWが不足する見込みだそうです。
これは、原子力発電所約100基分に相当し、
莫大な電気量になります。

元々、年中クールビズの中国では
節電に対する工夫というのは特に何もなく、
上海の市民の生活には、
今のところ問題はありません。
どうして対応しているかというと、
近隣の省・市から電気を融通してもらっているのです。
上海に融通している省・市の方はたまったものではありません。
元々不足しているところに、
隣に融通しているのですから、
電力不足がさらに深刻になります。

そこで、工場の計画停電を行うのです。
日本で報道されたために、
計画停電の負の要素はよくわかっていると思いますが、
停電のある時間だけ、
工場を止めるということはできませんし、
仕掛かりの製品はすべてパーになってしまうのです。
今年は、停電の10分前に電話が入って、
停電が行われるところもあったりするようで、
その被害は甚大です。

また、10分前では
工場の労働者もすでに職場に来てしまっていますので、
すぐに返すわけにもいかず、
無駄な賃金の支払いもしなければならないという問題もあり、
本当に大変です。

どれくらいの効果があるのか、
具体的な数字はわからないのですが、
上海の外灘などのネオンサインや高速道路の装飾の電気を
消せばそれなりの効果はあると思うのですが、
面子の国のためなのか、
まだそのようなことが実施されるとは
聞いたことがありません。

 とうさん

2011/07/10