戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 上海から家族への手紙(天真爛漫)
上海から家族への手紙(天真爛漫)
第45回 生まれて初めてつかみました。
こっちゃんへ
先日出張で中国の南の華南地区にある大きな都市に出かけた時のことです。
ホテルで支払いをしようとお金を出したところ、
これは使えませんと一枚の20元札が返されました。
最初は意味がよくわからなかったのですが、
どうやら偽札のようです。
その後、別の店とタクシーで2回そのお金を使おうとしたのですが、
やはり突き返されました。
100元札の場合は、小さな店に限らず高級レストランでも
平気で客の前で裏返したり、透かしてみたりして
その真偽を確かめるのは当たり前になっていて
時々「あなたは私を信用していないのか?」と問いたくなるのですが、
返ってくる答はきっとこうです。
「あなたを信用していないわけではない。お金が本物かどうかを確かめているだけだ。」
日本人どおしでこんな会話をしたら
きっと喧嘩になるか、
以後一切口をきいてもらえなくなると思いますが、
こちらにいるとそう言えばいいんだと
思わず膝を叩いてしまいます。
お金の話に戻ると、
中国では偽札を銀行や警察に届けても
そのまま没収されてそれで終りになるそうです。
このようなことは日常茶飯事で何の事件性もないのだそうです。
結局、掴まされた方が悪いということになるようです。
つわものは、
掴まされたものを使い続けて、だれかにそれをバトンタッチするのだそうです。
しかし、偽札を使うことは、法に触れますので
もし警察に通報されれば、
罪に問われることになる可能性もあります。
急いでいても、
ホンモノかどうか確かめないといけないということですね。
そのためにも
日頃から落ち着いて行動するように心がけています。
とうさん
2011/03/26