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上海から家族への手紙(天真爛漫)
第44回 南京ジャパンウィーク
3月11日の東北地方太平洋沖で発生した地震により、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
日が経つにつれて、被災の状況が明らかになるとともに、その被害の大きさを目の当たりにして、心が痛むばかりで
何もできないもどかしさを感じております。
ろとくんへ
とうさんは、東北地方で地震のあった11日は、
日本総領事館が主催する南京ジャパンウィークに参加するために、
南京にきていました。
中国の人に日本の文化をたくさん伝えようとするイベントで
今回は、最も日本に対してよくない感情をもつ地域の一つである南京で
開催されたものでした。
いままで南京に何度となく出張していましたが、
日本人ということで特に何もいやな思をしたことがありません。
今回、ホテルに帰ろうとタクシーに乗ったところ、
タクシーの運転手からどこの国の人間だ?と尋ねられ、
いつものように日本人だと答えると、
にわかに運転手の顔色が変わり、声が高くなり本当に日本人かと繰り返されました。
とっさに、「冗談だ、韓国人だ。」と答えると、
運転手も納得して、だから中国語が下手なのかと話していました。
とうさんは、韓国語を話してみろとか韓国のどこの出身だとか
突っ込まれたらどうしようとビクビクしていました。
結局、何もおこらずにホテルに辿り着きました。
しかし、まだまだ日本人に対して少なからずいい感情をもっていない人がいるんだということを
身をもって体験しました。
ところで、
南京ジャパンウィークは、地震のため開催の可否が検討されたようですが、
予定どおり週末に開催されました。
日本人スタッフはどことなく元気がないような感じがしたのですが、
来場してくれた多くの中国人の方々からは、
日本は大丈夫かと心配されたり、
励まされたりしました。
つたない中国語の説明を聞いてくれたり、
関心をもって質問をしてくれたりしたので、
2日間立ちっ放しでしたが、
前日のタクシーでの出来事も忘れてしまうくらい
楽しくイベントを過ごすことができました。
これからも各地でこのようなイベントがあれば
積極的に参加して
日本のことをたくさん知ってもらい、
よき隣人として交流していくようにできたらなあと感じました。
とうさん
2011/03/13