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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第42回 早くも一年経ってしまいました。

ろとくんへ

とうさんが、中国に来て早いものでもう一年経ってしまいました。
去年は、ほとんど上海万博の関係の仕事をしていました。
今年は、企業支援の仕事と中国人観光客の誘致にがんばっていきます。

ところで、
この一年間の生活の変化を振り返ってみます。

一番変わったのは、
不満に思うことは、大きな声で何回も口に出すようになったということです。
注文した料理がでてこない時、
おつりが違う時、
割り込みをされた時、
値段交渉する時、
こちらでは、
5つ星のホテルでさえ、
黙っていては十分なサービスを提供してくれません。
絶えず要求しなければならないということを学びました。
要求して、
求めるものが得られるまで言い続けなければなりません。
このようなことを日本でやるときっとクレーマーと言われるそうなので、
日本に戻った時には気をつけます。

次に、
こちらでは
会社内でも、
同じアパート内でも
余程親しい関係でないかぎり、
「おはようございます」とか「こんにちわ」という
あいさつはしないのですが、
とうさんはずっと奇妙な顔をされながらも、
あいさつをしています。
やっと最近、
アパートの掃除のおばさんが
向こうから声をかけてくれるようになりました。
たどたどしい中国語で
二言三言は会話もしています。
これは、うれしい経験のひとつです。

そして、
依然として悩ましいのは、道路の渡り方です。
大分慣れてきましたが、
まだまだ広く交通量の多い通りを渡るときは、
足がすくんでしまいます。
中国人の陰に隠れながら、
なんとか渡っています。
道路を渡るのに慣れるのと、
中国語が聞けるようになるのと、
多分同じくらいゆっくりなスピードで
上達していると思います。

最後に食事についてですが、
これも少し辛い料理に慣れたような気がします。
中華料理はどれもおいしいのですが、
脂っこいのはなかなか耐えがたいものがあります。
いつもとうさんが中華の店で注文すると、
やたらと野菜と豆腐ばかりの料理になり、
まるで中華の精進料理になってしまうと言われています。
一年で4キロは太ってしまったので、
しっかりプーアル茶を飲んで痩せるように頑張ります。

 とうさん

 

 

2011/02/26