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上海から家族への手紙(天真爛漫)
第40回 零下20度の街の工場は閉鎖中?!
こっちゃんへ
中国の東北地区にあるハルピンという街に行ってきました。
1月の平均気温が零下18度で、
今年の冬はさらに寒さが厳しく最低気温は零下40度に達する日もあったとか聞きました。
ハルピンの企業を訪問して、
日本への投資に関心の程度を尋ねることと日本の企業との協力の可能性を探ることが、
今回の目的だったのですが、
この寒い時期に零下20度のなかで工場が動いているはずがないとからかう人がいました。
そんなはずはないと思いながらも、
工場にしっかりとした暖房があるのかなあと考え始めると、
少し不安にもなりました。
日本の企業の方々にハルピンを紹介することになれば、
冬の寒さがどれくらいなのかも肌で感じておかないといけないと思い、
この時期の訪問にしたのです。
ハルピンを訪れて、
タクシーから街の様子を伺えば、
不安に思った工場もしっかり稼働していることがわかりましたし、
街を歩く若い女性は、
とうさんが風邪を引かないか心配になるくらい薄着でした。
確かに、北海道を考えてみれば、
すぐに理解できそうなものですが、
中国だからひょっとすると、
国営企業とかは本当に「低温休暇」があるかもしれないと思ってしまったのです。
とうさんには、
零下20度は、さすがに厳しく、
ヒートテックを何枚か重ね着しても、
ダウンの上からコートを着ても
寒いものは寒く、
肌が露出しているところは刺すような痛さすら感じていました。
その寒さとは反比例するかのように、
ハルピンを含む東北地区の人々の心は温かく、
政府の人間が企業のために、
わざわざ働いてくれるなんて考えられないと言って、
いたく感心してもらい、
手厚く歓迎を受けました。
それだけでなく、
急遽、隣の大慶という中国最大の石油油田のある街から貿易会社の社長とか
瀋陽からICカードの開発研究をしている会社の社長とかを
呼び出してくれたりして、
思わぬ交流が深まりました。
ハルピンは、
ロシアに近く、
影響も少なからず受けているために、
ロシアの土産物店もたくさんありました。
さきの社長さんたちからは、
ロシアとも貿易などの繫がりもあるので、
紹介するので今年の夏はロシアに行こうと誘われました。
昔とうさんが、
学生時代バックパッカーをしていた頃、
北海道の阿寒湖のほとりで知り合った地元のおじさんが
気軽に泊めてくれてごちそうになったことを思い出し、
寒い地域の人々が情に厚く、親切なのは日本も中国も同じだなあと感じました。
とうさん
2011/01/30