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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第25回 お茶を習い始めました。

ろとくんへ

とうさんが上海に来て、
早くも半年が経ちました。
日本では、
みんなそれぞれが目標に向かって、
ものすごく頑張っていると聞いたので、
とうさんも負けないように何かをはじめようと思いました。

そして、
今日から中国茶を習い始めました。
本格的に習ったほうがいいと思ったので、
プロの中国茶道の先生を紹介してもらいました。

レッスンは、
すべて中国語です。
ゆっくり話してもらっているのですが、
やはり理解できない部分も多く、
家に戻ってから辞書を片手に復習しました。

今日ならったお茶は、
「碧螺春」という緑茶の有名銘柄の一つです。
今日のお茶は、
日本とは違って、
杯子(日本でいう湯呑茶碗)に先にお湯を入れて、
後から茶葉をいれるのですが、
とうさんは、
その一つの杯子に誤って、
一気にどっと茶葉を入れてしまいました。
分量は違わないのですが、
入れ方が悪かったために、
自分で淹れたお茶の味が全く違っていました。
一気に茶葉を入れたお茶は、
まろやかさがなく、
ゆっくりと茶葉を入れたお茶に比べて、
はっきりおいしくないのです。

それが体験できたことだけで、
感激でした。
お茶がこんなにデリケートなものだとは知りませんでした。
「たかがお茶、されどお茶」という感じです。

中国で買ってきた高いお茶を淹れても、
おいしく淹れられない理由がやっとわかりました。

また、
家の中には、
とうさんの趣味の道具が増えることになるかもしれませんが、
中国文化を学ぶためということで、
許してください。

新しい発見があれば、
またお知らせします。

 とうさん

2010/10/11