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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第20回 西蔵に行ってきました。その3

ろとくんへ

 
 西蔵から上海に戻る時には、2006年7月に全線が開通した「青蔵鉄道」を利用しました。

 とうさんは、鉄ちゃんではありませんが、子供の頃は電車が大好きでしたから乗りたかった列車のひとつです。

 「青蔵鉄道」は、いろいろなギネス記録をもっていますが、なかでも世界最高地点海抜5,072M地点を通過する列車です。しかし、残念なことに車内放送もありませんでしたし、あろうことか車掌に聞いたら通過していないにも関わらず、すでに通過してしまったと答える始末です。彼らにしてみれば特に何かあるわけでもないのに、大騒ぎをするなということかもしれませんが、まったくサービス精神に欠けていますし、少しぐらいゆっくり走るか、停車してもいいのではないかと思ってしまいました。

 ゴルムドという駅まで、約2,000KM延々と高原にヤクと牛と馬がいる同じ景色が続きます。途中途中で小さな駅を通過するたびにここまで来たんだと理解する以外に何もありません。とうさんは、今回こうした時間がほしかったので、ずっと続く景色をぼんやりながめているのは苦痛ではなかったですが、ろとくんは耐えられますか。

 海抜3,000M付近のところの景色とは想像がつかないくらい広大な高原があるのには本当に驚かされます。

 途中で見たナムッツォの湖の青さも忘れられません。

 絶対に一度乗ってみてください。

 列車内は、酸素が絶えず発生装置から供給されていますから、車内は高山病の心配はいりません。

 ラサを出発してから、ほぼ丸一日後、青海省の西寧という省都の街に着きます。ここでも海抜が2,000Mほどあるそうですから、またびっくりします。

 とうさんたちは、ここから飛行機で、西安経由で上海に戻りました。

 当初のゆっくりのんびりとというわけには行きませんでしたが、なかなか愉快な旅行でした。

 今度行く時には、高山病をなんとかしてすっきりといければと思いました。

  とうさん

2010/09/05