戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 上海から家族への手紙(天真爛漫)

上海から家族への手紙(天真爛漫)

第19回 西蔵に行ってきました。 その2

ろとくんへ

 
 西蔵と聞いて、まず目に浮かぶのが、小豆色の僧衣にオレンジ色の腰ひもの僧侶の姿だと思いますが、2008年テレビでよく見たそのままの姿のたくさんのお坊さんを見かけました。

 今回とうさんは、何も西蔵のことを事前に学習することなく来てしまいましたので、西蔵の仏教のことなどを詳しく解説されてもあまりピンとこなかったのが残念でした。

 西蔵には、現在ポタラ宮、ノルプリンガ(ダライ・ラマの避暑地・離宮)、ジョカン寺(大昭寺)の3つの世界遺産のほか、色垃寺、デプン寺などの有名な観光スポットを回りましたが、すべて、ダライ・ラマ及び西蔵仏教と深く関係があります。

 街の様子は、どこも落ち着いており、漢民族と西蔵族の争う様子は全く垣間見られませんが、2008年の騒動以降、寺で修行できるのは、西蔵族の僧侶だけに限られ、外国及び多民族の僧侶はすべて寺から追い出されたという事実もわかりました。

 また、ガイドの言葉の端々にも、漢民族への怒りが感じられたような気がします。とうさんの気の回しすぎならいいのですが・・・

 
 西蔵に来たという実感は日に日に増しましたが、同時にここも中国なんだと考えると中国のスケールの大きさを改めて感じられずにはいられませんでした。

 とうさんたちが、ラサにいた8月10日は、西蔵暦で6月30日ということで、ショットン祭りが開かれる日でした。日本で言うと元日の初詣というと理解しやすいのではないかと思います。西蔵の各寺で一年に一回のタンカ(曼荼羅)のご開帳のある日です。西蔵の人たちは、早朝からタンカを目指してでかけます。もちろんお休みで、タンカを拝謁した後は、家族や友人たちと思い思いに休日を過ごすそうです。

 とうさんたちも、朝3時に起床して、4時にホテルを出発して、7時からの一番有名なデプン寺のタンカのご開帳のセレモニーの様子を見に行ってきました。まさに観光というよりは、お寺の修行といったほうが近く、山の崖で数時間待ち、恭しくご開帳を拝見した後は、まさに将棋倒しで圧死事件になるのではないかという混乱のなかをほうほうの体でやっと切り抜けてきました。

 ここでもまた、警官がたくさんいるんだし、VIPの関係者の車と歩行者を別々にするなど、毎年のことだからもう少し配慮をこらして、警戒すればいいのにとまたまた思ったところです。

 ゆっくりのんびりしようと思った西蔵旅行でしたが、ここでも高山病と闘いながら、必死で事故にあわないようにともがいていましたので、とても疲れました。

 とうさん

2010/08/30