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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第18回 西蔵に行ってきました。 その1

ろとくんへ

 一つ大きな仕事が終わったので、また夏休みを兼ねてゆっくりしようと思い、西蔵(チベット)に行ってきました。

 特に、何も考えずに日系の旅行社のパック旅行に参加しました。上海からできるだけ離れて静かなところであればよかったので、新疆でもよかったのですが、旅行社の方から政情が西蔵のほうが安定してますよと言われて選びました。

 そんなことですから、出かける前にガイドブックすらながめることなく、出かけた次第です。

 上海からまず成都に飛び、そこから乗り換えて西蔵のラサに向かいました。成都の空港で、通常のビザのほかに西蔵に入る入境許可を提示して、安全検査では靴まで脱いで検査を受けました。

 何とあっけなく西蔵についてしまったのですが、空港は全く山の中にあり、上海では見たことのない青空が迎えてくれました。それに空が近く感じたのと、太陽にジリジリと焼かれる感じがするのが強いなあというのが第一印象でした。

 ラサの標高は、3,650Mでまあほとんど富士山の頂上という感じです。富士山に登ったことのないとうさんは、実際の富士山の感じがよくわかりませんが・・・

 ラサの市内に行く途中、一般的な西蔵族の家庭にお邪魔して、バター茶とヤクの乳でつくったチーズなどをいただきましたが、とうさんの口には合いませんでした。

 その日は特に体調の変化は何もなかったのですが、次の日起きてみると、後頭部から首辺りにかけて鉛が張り付いているかのように思い感じがしました。体も思い感じがして、動くのが非常におっくうです。どうやら「高山病」にかかったようです。

 しかし、とうさんの症状はまだましなほうで、夜中一時間毎に目が覚めたり、何度ももどしたりした方も少なくないようでした。結局、メイン観光のひとつのポタラ宮の観光をあきらめた方もいました。

 高山病は、症状もさまざまですし、症状の出方も人それぞれです。若くて健康だからかからないというわけでもないようです。それに、午後から調子がよくなったと思っても次の日の朝には、また元に戻っているということの繰り返しでした。とうさんの場合は、結局西蔵を離れるまで頭痛と足の筋肉痛とお付き合いしていたので、次に来る機会があれば、ぜひとも高山病のない状態で西蔵観光したいと思いました。

 とうさんのグループのなかで、一番症状のひどかった人は、唇が紫色になり、病院に行って点滴を受けた人もあります。その方は、血中酸素濃度が40しかなく、通常の半分以下であったそうです。最悪な場合は、肺水症で亡くなることもあるそうです。

 のんきに旅行にでかけてしまったのですが、まず高山病というはじめての経験にびっくりするとともに、本当に高地にきているのだなあという体感をした次第です。

 つづきはまた後ほど、

  とうさん

2010/08/23