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上海から家族への手紙(天真爛漫)
第9回 慣れないこと
こっちゃんへ
中国に来てから早2か月が経ちますが、どうしても慣れないことがあります。
それは道路の横断です。
中国は日本と反対で右側通行ですから、道路を渡るときは、左、右、左をみて渡ることが基本になるはずですが、そんなことは全く関係ありません。
信号は一応たくさんあり、大通りではそれなりに効果を発揮しているように思えますが、概してほぼあてになりません。自分の身は、自分で守らなければなりません。
車は、右折は信号に関係なく、常時フリーパスのようです。(矢印信号で右折禁止の指示がでている場合は、一応停まることになっているようです。)
そして横断歩道でも、車が来たら、人が停まります。そうです、弱肉強食の論理です。
道路を渡る時に、とうさんが気をつけていることは、まず左から来る右折車を注意して道路の1/3ほど渡り、それから右後方から来る左折車を確認して、最後に前方から来る右折車を確認しながら渡ります。これで完璧かというとそうではありません。どこから飛び込んでくるかわからないバイクと電動自転車がありますので、とにかく道路の横断は神経を使います。
ところが、周りの中国人はすいすいと渡るのでコツがあるのかなとずっと観察していましたが、コツなどありません。みんな自分の好きなように渡っているだけなのです。中国人に聞くとちゃんと危ないから周りを見ているといっていますが、微動だにせずまっすぐに歩いて行く姿からは、とてもそんなことは想像がつきません。
これは、彼らの習慣・DNAですから、どんなに国際交流がすすんだからといって日本流に安全に歩行できるように変化していくとはとても思えません。どうかケガなく事故なく過ごせるようにしたいと思います。
また、こっちゃんが中国の嫌いな理由の一つの並ばない、平気で割り込むというのもDNAなのでしょう。弱肉強食の論理からすれば当たり前のことで、席が空けば飛び込んででも座るのが当たり前で、地下鉄を待って、前に立って並んでいて降りる人を待っていたら、後ろから押されるか、ひどい時は「何をやっているんだ早く乗れ」と怒られます。
日本に留学したり、生活したりして日本の合理的な方法を学んだ人たちも郷に入れば郷に従うということでしょうか。とてもがっかりする場面が日常少なからずあります。
偉くなって、金持ちになって、道路を歩いて渡らなくてもいいように、地下鉄に乗らなくてもいいようになるのが一番なのかもしれませんね。
とうさん
2010/06/06