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上海から家族への手紙(天真爛漫)

第6回 台所の床が大変なことになりました。その1

まっちんへ

出張から帰って、水を飲もうと台所へ入ったところ、躓いてしまいました。

よく床をみると盛り上がっているではありませんか。
なんでこんなことになるんだろう、誰かのいたずらか、地震でもあったかと思いましたが他におかしなところはありません。一番高いところは5センチぐらい、そこを頂上に山のようにタイルがもりあがっているではありませんか。

友人に電話してもそんなことがあるのかなあと怪訝な顔をされるし、仕方なくアパートの物業管理に連絡をすることにしました。
中国のアパートは一般に物業管理というのがあって、そこに修繕修理を依頼するのが一般的なようです。

ここからが大変でした。
電話をして現場を見に来ると予約をしましたが、当日の時間になっても全く現れません。仕方なく、再度電話すると、人がいないから今日は行けないとの返事です。ここで、本来なら気の弱いとうさんはあきらめるところでしたが、友人がここは引き下がってはいけないとアドバイスをくれました。
中国では、一度引き下がると相手になめられ、ここの物業管理は、もう二度ととうさんの言うことは聞かなくなるとのことです。

粘ること30分。
来てくれ、行けないの押し問答のやりとりをした後に、修理のおじさんが現れました。
それなら、最初から来いよと思いましたが、やっぱり引き下がってはいけないところは、絶対に引き下がらない。これが中国でうまく生活する術の一つかと思い返しました。
修理のおじさんは、どうして床が盛り上がってしまったのか理由は言いませんが、「修理には3日かかる。音がうるさいので、近所に迷惑がかかるので、平日しかできない。」とのこと。

おいおい、どうしてこうなったか理由も教えてくれないまま、それはないだろうと思い、まずどうしてこうなったのか理由を教えてくれと尋ねると、おじさんはニコニコしながらそれは言えないと答えました。構造上の問題だから、となりの棟でも同じことが起こっているので、見に来るかというだけです。損害賠償なんかするつもりはないので、理由を教えてほしいと再度何度も尋ねると、温度の変化かもしれないし、天気のせいかもしれないと訳のわからない理由を繰り返し話してくれました。やっぱりどうしても原因は言えないということのようです。

あきらめて、平日3日留守番してくれるアルバイトをさがすことにしました。
いやーいろいろあるとは聞いてはいましたが、まさか自分が欠陥住宅に住むことになるとは思いもしませんでした。

とうさん

2010/05/17