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パラン・パラン(スエナリ)
第271回 緑のしたにて
生まれた村は小さい集落で50件ありました。
今も変わっていません。
しかし、これから、減少していきます。
もう、60過ぎた一人暮らしの男の家が5件あります。
家の周りには欅や杉、竹、栗、スモモ、枇杷、イチジク
ハダンキョ、等の果樹がありました。
家の周りは木々で鬱蒼していました。
横の小川には、八目、あゆ、いろんな川魚がいました。
夜になると、ホタルが頭上をゆらゆら飛んだのです。
杉の枝は焚き木になり、
竹は稲を干す材料になりました。
集落の周りのは林(沢杉)が至るところにあり、
子どもたちの遊び場でした。
春になると、たらの芽がいっぱい出ましたが、
そのころは、食べれるとおもってもみませんでした。
幹には棘が沢山あり、触れませんでした。
ところどころに、清水が湧いていました。
海からの帰り、へばりついて飲んだものです。
田んぼの基盤整備で、川は排水溝になりました。
かっての面影はありません。
向井潤吉の世界は消えました。
其の田んぼは、稲穂がいろずいて風にゆれています。
隣の豆畑も濃い緑の波です。
雨が降らないので、川水を流し込んでいます。
今年は豊作です。
2012/08/25