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パラン・パラン(スエナリ)

第155回 野宿のころ

25歳の時、半年ほど、外国を放浪した。
貧乏旅行で、ユースホステルや、安宿に泊って、移動しました。
気が楽だったのは、何といっても、野宿です。
海岸、公園、港、軒下、橋、などです。

スペインのマラガから地中海に沿って、
バスと汽車で、イタリアのパレルモへ向かう。
マラガの駅を降りてから、当てもなく
彷徨してたら、海岸に出る。
暗くなってきたので、砂浜に降り、
適当な場所を捜し、
寝袋におさまり、寝ようとするが、
前途への不安と潮騒の音になかなか、寝付けず。

バルセロナでは港の見える丘まで、
彷徨して、露の降りた草の上で寝る。

フランスのアルルでは、橋の上で。
ナポリは港の茂みで。
寝袋はイランのイスファハンで盗まれる。
バンダル・アッバースではモスク中庭で、
ダンボールを被って、朝を待つ。

この頃は、野宿に縁は、ありません。
ホームレスの人達のダンボールハウスを
見ると、何か胸騒ぎがするのです。
すごいなぁと!
野垂れ死にを、覚悟してる風貌。
勝手な妄想に過ぎないが、
何か崇高なものを感じるのです。

2010/04/16