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知者不言、言者不知(村上悠悠)
第19回 日本のピンハネ率
去年まで、私は派遣社員で働いてました。
一応、有資格者ということなのでしょうか
一般事務よりも時給は少し高かったと思います。
ある時、私の時給の話になりました。
「なかなか高給だよね」と上司が言いました。
「そうですかね、まあ事務の時給としては
少し良い方でしょうか」
「日曜ごとに新聞と一緒に来る求人チラシには、
なかなか時給2千円越えるのは、無いじゃない」
「それは、2千円越える時給はすごいですよ」
「すごいって、貰ってるじゃない?」
「ええー?!私ですか? 私そんなに貰ってませんよ」
「えっ? そうなの?」
そうです。
私が受け取っている時給を上司は知らない。
上司が、というか、大学が支払っている時給を私は知らない。
お互いが金額をいい、
私は初めて大学が支払っている金額を知り
上司は初めて私の手取り額を知りました。
「派遣会社の取り分というのは、
なかなか高額だね」というのが2人の感想でした。
あとで、その話を友人にすると
労働関係のことに詳しい彼は
「日本のピンハネ率の平均は3割強」という。
確かに私の場合も
かなり3割に近い2割台でした。
また、和食の店をやってる友人は
「働いてる子でいい子がいるから
派遣じゃなくて、うちの従業員にしたいけど
そのためには派遣会社に
40万も払わないといけないのよ」という。
日本の労働社会はそういう仕組みになっていたのですね。
2008/07/30