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知者不言、言者不知(村上悠悠)
第14回 より見識の高い株主に
日本でも、「物言う株主」という存在が出てきましたが、
ヨーロッパというのは、やはり、
もっと先に進んでいる、
大人になっているという感じがしますね。
オランダのハーグに本社を置くシェル石油は、
今年の前四半期に記録的な業績をあげ、
幹部社員たちが株主総会で自信満々に報告をした。
もちろんそのことで、彼らは豊穣なボーナスを期待したのです。
だが、株主たちからは
「この好成績は、ひとえに原油の高騰に依っているだけではないのか。
我が社が驚異的な売り上げを上げた陰には、
ガソリン代の高騰で苦しむ市民がいるのではないか。
売り上げを弊社だけでひとりじめすることは倫理にもとらないか。
売り上げを社会に還元する必要はないのか。
あるとすれば、シェルの幹部たちはどのようにしようと考えるのか」
というコメントが出たということです。
シェルは、その後しゅんとしてしまって、
以後、いまのところ沈黙、だそうです。
自分たちが投資している会社が
利潤を追求してほしいのはもちろんだが、
社会に誇れる存在でいてほしい。
当たり前のことを、きちんと言えるのは
すごいことだと思います。
確かバフェットさんも
「自分の行動が新聞に出た時に
読んだ近所の人や家族親戚が
眉をひそめるようなことはしないことだ。」
と言うようなのがあったと思う。
株を買うことは、本当にいろいろと学ぶことなんですね。
2008/05/26