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宝船 巨龍にかける 夢無限大(森綾子)
第13回 (最終回) 21世紀の巨龍に魅せられて
本コラム「宝船 巨龍にかける 夢無限大」は今回が最終回です。
約3ヶ月間、拙い体験談をお読み下さいましてありがとうございました。
最近は、私たちの日常生活のあちこちに、
「中国」が、怒涛の勢いで浸透しつつあります。
今秋、中国語版日経新聞のWEBニュース配信スタート、
はとバスツアー中国語ガイドスタート。
友人、知人の中国への留学や就職・・・。
中国株投資を始めて3年。
この間、いくつもの試練がありました。(第3、6、9回)
その結果、私のポートフォリオがどうなったのか、
主な内容を列挙しましょう。
①石油・・・中国石油天然気
②電力・・・華能国際、南山電力
③ガス・・・新奥ガス、中国ガス、百仕達
④港湾・・・招商局国際、中遠太平洋、深?赤湾港航
⑤道路・・・浙江高速、深?高速
⑥その他・・李寧、振華港口、伊泰煤炭、
万科、国際コンテナ、同仁堂、莎莎・・・他
銘柄数が多く、投資信託的な感もありますが、
①〜⑤のインフラ「五業種」で全体の9割。
暴落しても狼狽売りだけはしないと
自分が確信した株で固めたのです。(第8回)
そして、自動車、家電、ガラス、石油化学、セメント、鉄鋼・・・
この大半を、断腸の思いではずしました。
これらは、原材料高の影響を受け、
かつ、価格転嫁が難しい。
いずれ持ちなおすでしょうが、
しばらく厳しい状況が続くと考えたためです。(第10、11回)
悩ましいのは、電力株。(第10回)
重要なインフラですが、
原油や石炭高騰の影響をモロに受け、
この状態が、当分続きそうだから厄介です。
入替えすべきか、ナンピンすべきか?
余談ですが、
電力株について、面白いお話があります。
本多静六氏、学者にして投資家。
関東大震災時(1923年)、
すべての株が暴落し、
東京電燈(東京電力)も10円台まで大暴落。
それを見た本多は、株価は必ず元に戻ると確信し、
果敢に買い進め、大成功したのです。
大正時代の電力株、そして関東大震災です。
どう考えても、今の事態よりもっと悪い。
原材料高騰くらいで慌てては、
本多翁に笑われてしまいますね・・・。
株式投資をする以上、
今後も、必ずや想定外の事態に見舞われ、
何度となく、打ちのめされることもあるでしょう。
とはいえ、この巨大な龍に魅せられて早3年。
宝探しを求めてやまない気持ちにさせる無限の魅力が
この中国にある、
その思いはますます強くなるばかりです。
最後に、私の好きな投資家ジム・ロジャーズのことばをかりて
本コラムの結びとさせていただきます。
「もうすぐ中国人が活躍する時代がまたやってくる。
20年ほどのうちに、
彼らの国は世界最大の経済を擁することになるだろう。
残る私たちは、そこでいい思いをするにはどうすればいいか
考えなければならない。
私たちは史上最大の経済的成功を目の当たりにするのだ。」
(『商品の時代』)
「私の持っている銘柄がいくらになっているか知りたいとも思わない。
売る予定はないのだ。
今でも持っているし、ずっと持ち続けられればいいと思っている。
私の遺産になればいい。」
(『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』)
2005/10/31