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宝船 巨龍にかける 夢無限大(森綾子)

第12回 let's 中国

2005年旧正月、
ブレア英首相がBBCで在英華人に新年を祝う挨拶。

「ニワトリ年の新年おめでとうございます」

英国の首相が公共メディアを通して、
在英華人に新年の挨拶をするのは初めてとのこと。
(人民網日文版2月7日)

このニュースを知った私は、
いよいよ心強い気持ちになりました。
外交巧みなイギリスの目線の先には中国大陸がある・・・。
そうだ、中国へ行って自分の目で見てこよう!

初めて訪れた北京は反日のさなか、静寂の4月。
私たちが日ごろテレビで見る北京は、
ビルが林立し道路が渋滞する大都会です。
しかし現実には、街中にクレーンが林立し荒削りで粗野。
一等地といえども、足元を見れば
歩道はでこぼこ、今にも転びそうなのです。
また、ネオンが異常に少ない。
ネオンを必要としない看板ばかりが目につくのです。
電力不足時代の名残でしょうか。

そして八達嶺・万里の長城。
北京市街から約80キロ、高速道路を1時間ほど飛ばしたでしょうか。
その間、サービスエリア、パーキングエリアがない、見えないのです。
僅かに見えるのは給油所のみ。
いいえ、あったのかも知れません。
でも、目にとまるレベルのものが、どこにも見えなかったのです。


そして7月の上海。うだるような暑さ。
超高層ビルの中を高架道路が通り抜けるさまは、
まさに東京の首都高を想起させます。

上海での特筆すべき体験は、ホテルでのマッサージです。
全身45分で180元(約2500円)。
確かに、腕は良い。
ところがなんと、片方の足を残してタイムオーバー、
ついてはもう一回、全身45分やるようにと、のたまうのです。
きっと計画的だったのでしょう。
話には聞いていましたが、
中国人の商魂たくましさに半ばあきれつつ、
「なるほど、こういうことか」と、私は妙に納得したのです。

彼らのこの商魂が、
回りまわって私の投資を成功させてくれるなら、大いに結構。
全体的に未発達でガタガタした社会だからこそ、
株価も安く、
投資で成功するチャンスを私に与えてくれる、
それもまた事実なのですから。

北京のサービスエリアといい、上海のマッサージといい、
思うに中国は、どうにかこうにかインフラだけは取り付けた。
しかしながら、サービス面では精神的にも物理的にも
発展途上の段階、未だこれからなのでしょう。
中国一、二の都市がこのレベルですから、何をかいわんやです。

投資対象として有望な中国株の潜在力に意を強くして
私は初めての中国を後にしたのです。

2005/10/24