さて、原材料についてもう少し話を進めましょう。

実際、原材料問題はエネルギーだけではありません。
もっと広範囲にわたる点に、問題の深刻さがうかがえます。

一例をあげれば、飲料メーカー。
ペットボトルやガラスビンの製造に必要な
原油や石炭の動向も重要ですが、

飲料の内容によっては、
大麦やブドウ、砂糖の需給動向も要注意です。

やや脱線しますが、
砂糖の価格については、
冒険投資家のジム・ロジャーズが、
その著『商品の時代』の中で、
従来から、興味深いお話を展開しています。

それは、１３億人が豊かになり
ケーキやチョコレートの消費量が増え、
砂糖価格が高騰するという、
普通のお話ではありません。

原油高の影響で
砂糖価格が高騰するというお話です。

つまり、サトウキビから
代替エネルギー「エタノール」をつくる。
そのあおりで、砂糖の生産量が減少し、
価格が上昇するというのです。

そして、その兆しは
現実のものとなり始めたようです。

中国は、消費市場として大いに期待できますが、
反面、巨大すぎるがゆえに
原材料・モノの、思いがけない高騰をまねき、
昨年の電力やセメント業界のように
各企業は、今後しばしば
売上増の収益減に直面するかも知れません。

投資家は
あらゆる原材料・モノとの関連を熟知すべく努力しても、
予想外の激震に打ちのめされる危険性がある。
そのことを肝に銘じなければならないと思うのです。

どうやら、原材料問題は一筋縄ではいきそうにありません。
かくして私を苦しめるファクターがまた一つ。

　ああ、原材料よ、お前もか！

2005/10/15