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宝船 巨龍にかける 夢無限大(森綾子)

第10回 原材料よ、お前もか!(1)天然ガスよ、こんにちは

昭和30年代のこと。
邱永漢先生は
ある科学技術者のお話を聞いて、
いずれエネルギー革命が起き、
石炭から石油、さらに天然ガスの時代が来ると考えた。
そして天然ガス輸送船の将来性に目をつけ、
播磨造船の株を購入したが、
余りにも時期が早すぎて失敗だった
というエピソードがあります。
(『失敗の中にノウハウあり』より)

それから足掛け50年。
今こそ、まさにその「時」なのでしょうか?

 「原油高 変わる収益構造 LNG特需拡大」

10月8日付、日経新聞によると
原油高の影響で、天然ガスへの需要が高まり
天然ガスLNGプラントや輸送船が
加速度的に導入されている模様です。

現在、各業界はエネルギー価格の高騰に苦しめられ、
そのあおりで、われわれ株主も苦められています。

私自身、はじめて異変を感じたのは2004年秋。
電力株の中間決算の、あまりの悪さに驚いたのです。
原因は石炭価格の上昇。

期待していた分、失望も大きかったのですが、
重要なのは、
石炭価格の高騰が一時的か継続的かです。
しかし、その見通しが立たず、本決算を迎えたところ、
結果は惨憺たるもの。
電力はもちろん、セメント、ガラス、鉄鋼、家電・・・
みんな、ノックアウトです。

ひとり快調なのは
原油や石炭「そのもの」です。
もし、この事態を見抜く先見性があれば、
この被害は免れたのでしょうが、現実には至難の業です。
私は途方に暮れました。

(「原油高で砂糖が高騰」につづく)

2005/10/15