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とことこ古都散歩(宮田琴)
第2回 かわりゆく町並み −文椿ビルヂング−
前回ご紹介した室町通り沿いをもう少し歩いてみましょう。
五条あたりから三条にかけて
大小の呉服屋さん、繊維会社が軒を列ねています。
かつて室町沿いには、町家がずらりと並んでいたそうですが
徐々に近代的なビルに建て替えられたり
廃業してマンションに建て替えられたり
その町並みは刻々と変化しています。
マンションに建て替えられた土地の一角には
かつてそこに建っていたのであろう町家につかわれていた
瓦がその名残りを伝えるように佇んでいます。
ここ数年の動きでは、残っている町家を改装して
カフェやレストランとして営業するお店が増えているそうです。
企業がどんどん撤退していく室町通りを始め、
京都を代表する「町家が並ぶ風景」をどう残してゆくか
というのが今後の京都の課題になっているとも聞きます。
また老朽化した町家を修理するための助成金制度などもあるそうです。
一方、戦火を逃れた京都には
明治から大正、昭和のレトロなビルもたくさん残っていて
これもファッションビル、カフェ、
変わった所ではスポーツクラブとして再生しています。
三条御幸町の旧毎日新聞ビル、河原町丸太町の旧電々公社ビル
そして三条室町の文椿ビルヂングなどがあります。
これらのビル再生も、大きな資本が入り
有名なお店がたくさん入るような派手なものから
地元の若者が立ち上がって、こつこつと計画したものまで様々です。
室町の文椿ビルヂングは
古都を生き抜く若く新しいチカラが感じられる場所です。
若い人たちが「京都らしさってなんだろう」と一生懸命考えた
ひとつの答えがここにあるような気がします。
最寄り駅:京都市営地下鉄「御池」
ちょっとお茶でも:カフェ&ギャラリー ニュートロン
2005/08/14