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Cafe MIMIK(MIMIK)

第27回 回想のタンゴ・カフェ

昔、と言っても1995年頃までだと思いますが、
東京神保町の裏通りに、ミロンガというカフェがありました。
タンゴのレコードを聴かせるカフェでした。
私は、神保町の古本街に行くたびに、このカフェに立ち寄り、
カフェオレをいただき、暫しタンゴを聴くことを楽しみにして
いました。
店内は、古色蒼然という言葉がぴったり合う感じでした。
ある日、店内改装工事が始まりました。1か月ぐらいっだったと
思います。
改装後、ミロンガに行ってみると、ミロンガはなくなり、
ミロンガ・ヌオーパになってしまっていました。
私にとっては、閉店も同然でした。
ミロンガは、永遠に失われてしまいました。

神戸 南京町を海側にくだったあたりが、栄町です。
その栄町にコットンという名のタンゴを聴かせるカフェが
ありました。上品な老夫婦が経営されていた。
タンゴを聴かせること以外は、普通の「喫茶店」でしたが、
どことなく港町の風情を感じさせるコットンは、人気の店でした。
少しの間、行かないでいると、老婦人が亡くなり、その後を追うように
老主人も亡くなったそうです。
コットンが閉店したのは、2005年ぐらいのことでしょうか。

京都 高瀬川沿いの木屋町界隈は、京都屈指のクラッシク・カフェ街でした。
ソワレ、ミューズ、フランソワ、クンパルシータ
4月のある日。久しぶりに、木屋町を訪れました。
たまたま、クンパルシータの横を通ると、気になることがあり
足を止めました。ドアノブに何かかけられていたからです。
電気や水道が止まっているときにかけられているものです。
やはり、水道を休栓しているという表示でした。
クンパルシータも、またタンゴを聴かせるカフェでした。
珈琲を注文すると、出て来るのに1時間ほどするのにびっくり
しました。ゆっくりしていって、ということなのでしょう。
知っている人は、知っている習慣なのでしょう。
ここも閉店してしまったのでしょう。

これで、私の想い出のタンゴカフェがすべて無くなって
しまいました。

2008/05/18