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30代からの中国留学(松尾勝)
第16回 変化の悲劇の方がまだマシ?
もし、行動しても、行動しなくても
悲劇が起こるとするならば
どちらにまだ救いがあるでしょうか?
これは、その人の性格だけでなく
年齢や状況によって考えが違うので
簡単にどっちが良いかは言えませんが
当時の自分が出した結論は
「行動して失敗した方が、
安定を求めて叶わなかった時の
悲劇よりもいくらかマシかなぁ・・・」
でした。
なぜこの結論になったかと言うと
一番の理由は問題が起きる
タイミングが関係しています。
変化を求めた場合の悲劇は
自分が行動をして後
割と早いうちに問題が発生します。
それに比べて
安定を求めた場合の悲劇は
だんだんと苦しくなってきて
いよいよ、どうにもならなくなった時に
問題が発生します。
私の結論は
「どっちにしても問題が起きるなら
早く起きた方が後で挽回できる」
という、ごくごく単純な理由です。
もう一つ、この問題について悩んでいた
当時の私は20代後半。
30歳を目前に控えた心境で
世の中を見回してみると
30代で無一文の人は(失礼ながら)
思っているよりも結構いそうです。
自分が変化を求めて行動に移し
その結果、たとえ大きな失敗をして
不遇な時を過ごすことになったとしても
健康でさえいれば、
その後の人生で何とか
挽回できそうな感じがします。
でも40代を過ぎた後で問題が起きて
不遇な時を過ごす事になった場合は
自分だけでなく、家族やパートナーの
生活にも影響を与える事に
なりそうです。
私はまだこの年齢にではないので
あくまでも想像なのですが、
この時期には何だかんだ言っても
収入や生活水準が
大きく低下する可能性のある
事は避けたいという気持ちが働くでしょう。
想像ついでに、50歳を過ぎての
大失敗は挽回する為の残り時間や
必要なエネルギーを考えると
40代の時よりも、相当に辛そうです。
もしも、60歳を過ぎて、
初めて何かにチャレンジして
大きな失敗をして全財産を失い
更に生活を維持するための
最低限必要な収入すら無い
という状態になったらどうでしょう。
今の私には、想像できる範囲を
超えていますが、経済的には
悲劇な状況だという事だけは
容易に想像できます。もし更にその時に
精神的な支えすらも無いとしたら
それこそ
人生の悲劇になってしまうかも知れません。
2005/11/26