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お鍋の中と外(榑林未奈子)

第17回 食品衛生責任者講習(後編)

午後の講習について。
講師は食品衛生コンサルタントの福島正義さんという方です。
以前は保健所にお勤めしていた経験もあるそうで、
立入検査の経験などを踏まえた実際的な知識を
とてもわかりやすくお話してくださり、たいへん勉強になりました。

目から落ちた鱗が多すぎて全部は挙げられませんが、
以下に取ってきたノートのメモを抜粋します。

「新鮮=食中毒が起きない、というのは間違い。
 新鮮な肉についている菌やウイルスもまた新鮮である」

「カキで食中毒が起きるのは、
 貝類の中でカキだけが内臓も一緒に食べるから。
 体内のフィルターに溜まったウイルスごと、非加熱で
 摂取することになってしまう」

「アルコール消毒は、乾いた手で使わないと意味がない。
 水で薄まると消毒効果が一瞬で薄まってしまう」

「食中毒で起きた嘔吐物の正しい処理の仕方。
 エアコン内に入られると非常に厄介。
 殺菌はキッチンハイターが強力。
 それが無理な場合は、アイロンで加熱して殺菌する」

「鶏肉はコスト削減のためにいっぺんにお湯や水に入れて
 処理するため、結局すべての肉がカンピロバクターに
 汚染されてしまうが、仕方ない」

「下水処理施設の技術向上により、皮肉にも、
 海水中に放出されるウイルス量は昔より多くなっている」

「調理におけるオペレーションの手順次第で、
 同じ物を調理しても食中毒を起こさないようにできる」

……
講義が終わったとき、素直に
「もうおしまい!? もっと聞きたい!」
と思ってしまいました。
こういうお話こそ、義務教育中の家庭科の時間に組み込めば
いいのになあ。

私はお料理は好きですが、ほぼ独学で、
とくに食品衛生についてはちゃんとした講義を受けたことが
ありませんでしたので、今回の経験はたいへん有意義でした。
受講料1万円は消して高くないと思いました。
これからの生活に、すぐにでも活かしていけそうです。

2013/05/21