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お鍋の中と外(榑林未奈子)
第14回 お鍋で燻製
前々から、燻製に挑戦したいと思っていました。
煙でいぶされた本物のベーコンっておいしいですよね。
でも、高い。自分で作って思うさま使えたら、どんなにいいだろうと思っていました。
ただ、広くもないし庭もない家では、燻製用の釜を用意することができません。
専用の器具も、かさばる割に見た目がいまいちで、家に置いておきたくない。
そんな理由から、憧れつつも延ばし延ばしにしていた燻製なのですが…。
なんと、「燻製が、台所で、お鍋で出来るらしい!」
という事を知ったので、さっそく試してみることにしました。
使用したのは、我が家で最大のステンレス鍋。
直径25cm、高さも同じくらいで、おもに大量におでんを仕込む際に活躍しているものです。
これに、ホームセンターで買った焼き網が、底面から5~6cm程度の高さで、うまいことはまりました。
鍋底にアルミホイルを敷き、燻製用のチップ(広葉樹などの細かな木片)を薄く広げます。
その上から焼き網をはめて、燻煙したい素材を並べ、コンロに点火。
ごく弱火で空焚きしていると、すぐに薄紫色をした煙が立ってきます。
あとはフタをして、素材に応じた時間、燻煙するだけです。
プロセスチーズ、鶏むね肉、牡蠣の中華風佃煮、砂肝、豚のカシラ肉など、ごく短時間の燻煙でOKな小物で様子を見て、ある程度コツがつかめた所で、本命のベーコンに挑戦しました。
塩漬け5日、塩抜き&ピチットシートで脱水1日、70℃のオーブンで低温乾燥焼き90分、燻煙60分。
みごと、おいしそうなベーコンの完成です!
やってみてわかったことですが、他の料理と同じく、燻製も科学でした。
しろうとの燻製でありがちな失敗が、
「酸っぱくなってしまう」
ことだそうです。
これは、素材の表面の水分と煙が結びついて、木酢液と同じ成分ができてしまうのが理由とのこと。
言われてみれば、そうですね。
なにごとも、やってみないとわからないものです。
2013/02/05