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融通無碍(久遠善行)

第14回 皮肉を言われて当然の息子ではないか

(前々回までで)
父の皮肉の原因、発端が自分であったことが判明し
数十分は受け入れがたく葛藤が続きます。

「自分のせいではない」
「今まで思ってきた通り、父の性格だって・・」
と、今まで数十年思ってきた発想に戻そうと思うのですが、しっくりきません。

次に、若干譲歩した発想にシフトしていきます。
「いやいや、父の責任も少しはあるんじゃないの?」
「だから、100%自分じゃなくってさ~。95%くらいが自分で~」とか
考えるのですが、逃げているようにしか思えません。

どうやら事態は覆されない模様。
原因は100%自分だった・・・そう思ってくると納得がいく感じです。

そういえば、今の今まで、育ててもらっておきながら
父の期待に答えたことがありません。

予定していた高校に入れなかったのみならず
大学留年した
卒業して就職しなかった(のに、タダ飯詳してくれた)
ニート(してても、家においてもらった)
自動車事故(を、起こして心配かけた)
  ・
  ・
  ・
なんじゃ、こりゃ。迷惑掛けまくりじゃないか!
じゃぁ、現在何か、お返ししているのか?
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家の手伝いしない・・
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パンも買ってきてくれない

うぐっ、なんて情けない息子でしょう
父から見ると、息子と世間話の際に、
何か一言、皮肉の一つや二つもガツンと言いたくなるのです。

頭の中で父と私をイメージします。
私の目の前には父が映っています。
世間話終了時、父が私に皮肉を居います。
いつものシーン、被害者目線です。

しかし、ここでシーンを回転させます。
視点を変えて父から自分を眺めます。
そうですね、イメージの中で幽体離脱(?)でもしたかのように
父のからだに入ってみます。

父から見た私が映っています。
父の感情も味わいましょう。
「ん~。これが俺の息子か・・・
 どこへ出しても恥ずかしい・・、ブッチギリのドラ息子だな・・・(笑)」

いつも通り、父と息子の他愛もない世間話が始まります。

話しをし始めて数秒もすると、
何だか話しててマドロッコシイです。
 んんっ、なんて気づきの少ない奴なんだ。
 幼い!成長しろ!
 気づけ!馬鹿者!
・・・なんだか、ムカムカしてきました。

そこで、父がかつて言ったような皮肉を発言っ!

おぉぉ~、何だコレ、凄くしっくり来るじゃない~・・♪
皮肉、言って(言われて)当然、当然っ。。

父が皮肉を私に言いまくったワケがとても良く分かりました。

あぁ、な~んだ、こんなドラ息子だったら
こんな奴だったら何万回でも皮肉言いたくなるわ~と。

父の気持ちがよく理解できた瞬間でした。

自分は皮肉を言われて当然の息子か・・・

そう思うと
よ~し、帰宅後は父から何万回皮肉言われてもOKだ。
だってそれに値する息子だったのだから・・・
という気持ちが芽生えたのでした。

2010/01/27