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道連れは無敵の相棒(湖津園立治)
第22回 蒼い時 −8−
ホリエモンことライブドア前社長の堀江貴文容疑者は
証取法違反の取調べに対して自説を展開し犯意の否定を続けているらしい
(2月3日現在)
時代の寵児ともてはやされ、若い人達に絶大な人気があっただけに残念だ
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者、山田真哉さんの意見によると
粉飾を使った事件では珍しいケースだという
「一般的な粉飾では、最終的に融資している銀行や大口株主が被害を受けるが
個人投資家が株主の6割を占めるライブドアは市場から資金を得ているため
株価が高水準で維持されてさえいれば、誰も困らない
当事者全員が黙っていれば、バレなかった可能性も高い」
「誰にも迷惑をかけていないのだから悪いことをしているわけではない・・」
そう思い込んでしまうところに落とし穴が待っているということだろうか
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私としては、ただ業務に役立ついいものが作れるよう
いい仕事がしたかっただけなのだが
組織にはいろいろとしがらみがあって、正しいことであっても
なかなか思い通りには仕事をさせてもらえないようだ
ここで愚痴っても仕方がない
もう恨み辛みを書き綴るのは止めにしよう
「そもそもメーカーと協力して作ろうとしたのが間違いだった」
そう思い直した私は独自に新しい方法を考えていった
何も高額な設備投資をしなくても
一般のパソコンでかなりのことができる
高度な処理機能を持ったソフトウェアも安価になり
秋葉原まで行かなくっても近くのパソコンショップで
データ解析ソフトを買うことができる
大学派遣から1年、温めていた構想に着手した
パソコンを用いて需要予測と運用のシュミレーションを
表計算ソフト上でおこなうプログラムの作成である
試行錯誤の上に誰にでも計画を立てられるのもが出来上がった
データ入力の手間があるので普段の日は使われないが
工事の関係で浄水場を停止する日や運用方法の大幅な変更がある日などに
パソコンでのシュミレーションは職員達の間で使われるようになった
怠慢なメーカーに対して一矢報いることができたのだ
私は予てからEUC(エンドユーザーコンピューティング)の必要性を感じていた
エンドユーザー、すなわち一般の職員が積極的に
パソコンやオフィスソフトなど汎用の製品を使いこなすことによって
システム導入のコストを下げて生産性を上げる努力をしなければならない
何でもかんでもメーカーにおんぶに抱っこでは
足元を見られて高い費用を請求されてしまう
そんなことをしていては、いずれ議会で追及されたり
世論の批判を浴びたりすることは避けられない
職員の削減や業務の民間委託などによって
職員の職域が減らされていってしまう恐れがある
民営化することがいいことならば私は反対はしないが
独占事業であることを考えると民営化しても
担い手が変わるだけで効率的な経営ができるとは限らないと思う
ITの世界は日進月歩、汎用製品ならば
高性能なハードもソフトも昔からは比べ物にならないくらい
安く手に入れることができる
システム設計を1メーカーに丸投げするのではなく
EUCを実現する環境や情報リテラシーの向上など
人材への投資に比重をおくようにしたら
無駄なコストを削減することができるようになるというのが私の自論だ
その後、高コストを招くメーカー依存体質に対して
一石を投じる覚悟で新しい提案を訴えていくことにしたのだが・・・
2006/02/10