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道連れは無敵の相棒(湖津園立治)
第8回 闘病記
10月1日、国慶節が始まった
7日まで1週間の休みになるところが多いようだ
よく分からないのが
8日は土曜日なので、8日から出勤した場合は
次の休みまで7日連続勤務になってしまう
大型連休を作ったのなら
土日勤務など面倒な事しなければいいのに
中国の国策はどうもよく分からない
国慶節の街の様子を書こうと思っていたが
あいにく風邪をこじらせてずっと寝ていた
聞けば、外灘から眺める浦東の夜景は
この時期が一番綺麗なのだそうだ
各地で花火も上がるようで
交通規制が敷かれるほど人々で溢れかえるらしい
前回に引き続き重苦しい内容で恐縮だが
上海の病院事情と共に事の顛末を披露することにしよう
只の風邪だと思って寝ていたのだが
高熱な上に激しい咳が止まらないので
中国に来てから初めて病院に行くことにした
上海の病院は、保険にさえ加入していれば
手厚い医療を受けることができる
保険証券を提示して必要な書類を記入すれば
キャッシュレスで診察、検査、薬まで用意してくれる
日本人医師のいる病院で
(国慶節期間中は日本語の分かるスタッフが対応)
気管支炎と診断され
薬を処方してもらい家で寝ていたが
上海の風邪はよほど強力なのか
それとも私が単にひ弱だからなのか
一向に良くならないので
翌日もう一度病院へ行ったら
別の病院を紹介された
その静安区中心医院国際医療センターには
24時間態勢で医師と日本語通訳が常駐するという
診察後、今日と明日の2回点滴を受けてもらうとのこと
通された病室はホテルの部屋のような
トイレ、シャワー室完備の立派な部屋だった
38.7°の高熱に見舞われ
吐き気、頭痛、咳、悪寒に苦しみながら
約5時間の点滴を受けた
たばこを吸わない私が気管支炎に罹かったのは
よく喋るからかも知れない
元来私は無口な方である
私の勤める日本語学校では
通常1クラス3時間の授業をする
途中10分間の休憩が2回あるものの
3時間ぶっ通しで喋り続ける
それが1日に2クラスあるのだから
日本語教師も体力勝負なのだ
ウィルス性の風邪は体温の変化が激しい
高熱が出ると頭痛、吐き気に悩まされる
体温が下がると今度は激しい咳だ
一進一退、いつになったら治るのか見当がつかない
自分を支えているものは何なのか
病床に伏している間には嫌でも考える
何故こんなにも自分は弱いのか
生命力の源はどこにあるのか...
握ったその手の温もりが教えてくれることもある
苦しい時はつい塞ぎがちだが、嘆いていても仕方ない
大して健康を気遣わないのにいつも元気な人がいるというのに
どんなに健康に気を使ったところで病気をする人は病気をしてしまう
やはり持って生まれた業(カルマ)を刈り取る現世の修行と心得て
病魔と闘うよりほかないだろう
静安区中心医院国際医療センターの病室
2005/10/04