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道連れは無敵の相棒(湖津園立治)

第4回 お金の色

新聞を読まなくなって久しい
こちらにはテレビは有って
チャンネルも70ほどあるが
日本の番組はないし
見ていてもつまらないので
ほとんど見ることはない
気がつけば世界のニュースに
すっかり疎くなってしまった

しかし、インターネットの御陰で
ふと、とんでもないことが
この世で起きていることに
驚かされることがある
ロンドンのテロ事件、
宮城県沖地震、
ハリケーン「カトリーナ」、
・・・
しかし何と言っても
衆議院解散総選挙だ
改革がなかなか進まないどころか
郵政民営化法案が否決されて
与党が分裂しているという

「改革なくして成長なし」と
言っていたのはいつの話なのか
いったいどれだけの時間が
過ぎてしまったのだろう
日本人の個人資産の総額は
約1400兆円と言われているが
そのうちの約半分が
郵貯や簡保、年金、政府系金融機関に預けられている
この膨大な資金が財政投融資という形で
一部の政治家や官僚に自由に使われてきた
採算性や効率を度外視して
意味のない特殊法人や
無駄な巨大施設を造ってきたのだ
腐敗や汚職、天下りの温床である
その中でも郵政関連の資金が約350兆円もある
改革の本丸と言われる所以である

私は以前、地方自治体に勤めていたからよく分かる
お金には色が付いているのだ
使いやすいお金と使いにくいお金
それぞれの色を塗り替えることはできない
条件付きのお金を使う場合はいろいろと横槍が入り
結局有効に使うことはできなくなる
市場のシステムと切り離されたお金は
無駄なところへと流れ込んでいくものだ

日本の国家予算は約80兆円で
そのうち約30兆円は国債でまかなっている
今や国の借金は約650兆円にのぼり
地方自治体の分も含めると
負債総額は1000兆円以上になるという
このままいけば2、3年後に
国家が破産してしまうのではないか
財政の構造的問題は随分と前から指摘されてきた
未だに抵抗勢力が政界再編と称して
新党を結成しているなど笑止千万だ
次の選挙ではどういう行動を取ればよいかを
賢明な読者はお判りのことと思う

今、上海では
巨大なビルやショッピングモール
地下鉄の路線延長工事などが
急ピッチで進められている
聞けば、8年前は
地下鉄も浦東のテレビ塔もなかったそうである
愚図愚図している日本をよそに
中国はどんどんと変わっていく

2005/09/05