上海に来てしばらくたった頃、引っ越しをした
それまでは、浦東地区の南にある
知人の空き家に仮住まいをしていたのだ
やっと浦東の地理が分かってきたところだし
シャワーのお湯が出ないこと以外は
部屋に不満はなかったのだが
交通の便が悪いので引っ越すことにした
地下鉄の２号線と３号線が交差する
「中山公園」駅の近くにある古いアパート

引っ越しと言っても
タクシーを1台捕まえるだけなので簡単だ
1ヶ月程度では荷物の量は
上海に降り立った時とさほど変わらない

〜転がる石に苔は付かない〜

日本を出る時は大変だった
3LDKの部屋に独りで住んでいたからだ
長くいればそれだけ余計なものも
面倒なしがらみも増えてくる
日本に戻るつもりはないし
未練を残すなんて御免だから
身軽になるために容赦なく処分した

本やCDなどかなりの部分を
友人達に貰ってもらった
そしてみなかわるがわる
暖かい激励の言葉をかけてくれた
今でも感謝している

やはり思い出の品は最小限度に留めたい
感傷に浸っている時間などもう無いのだから

浦東から中心部に向かう途中
戸浦大橋の上から
黄浦江の沿岸一帯に広がる
工場や巨大なクレーン群を眺めることが出来る
とてつもないエネルギーを全身に感じるのだ
このエキサイティングな街の面白さを
みんなに伝えていきたい

2005/08/14