戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 丘の上から(小日向次郎)
丘の上から(小日向次郎)
第84回 親愛なる建物へ
月並みなことですが
どの業界でも「スクラップアンドビルト」を
行っていると存じます。
意味としては
①採算や効率の悪い部門を整理し
新しい部門を設ける
②建造物や設備で老朽化・陳腐化した
ものを廃棄し新しい設備に置き換える
上記がwikipediaなどで調べると
出てくる内容ではないでしょうか。
小生は仕事柄様々な建物を
見て回ります。
本職は別の所にありますが
ちょっとした時に建築物を
眺めているのです。
最近は世の風潮でしょうか。
建物のスクラップアンドビルトより
老朽化・陳腐化したものを
新しいモノに置き換えることも
多くなりました。
このような、補修・改修は規模も様々
大きなところでは最近化粧直しをした東京駅
身近なところでは家庭の台所を
システムキッチンにすることなど。
機材を使用しながら新しいものに交換
するわけですから
全部撤去して新しいモノを設置するより
手間暇神経を使うことも出てくるようです。
再利用という言葉は
エコなようで
場合によっては「残すこと」によって
新しいものとのジョイントがうまくいかず
かえって面倒でお金が後日かかるのでは
なんて場面も見受けられます。
でもいい建物はいい建物なんだと思います。
建物に馴染んだ資材は将来も古さを感じず
味を残してくれます。
環境を含めたベースが良くないと
いくら最先端の資材を投入しても
気持ちのよい建物にはならない。
GW2日目に久しぶりに東京駅界隈に行き
化粧直しの終わった開業当時の東京駅を
堪能してきました。
そんな時ふと建物を「組織」に置き換えて
考えていました。
組織はその集団の中で経験と流れる文化がある。
優秀な人材と良き文化があれば、
再編されてもその良さは残る。
組織に問題がある時に
変に壊してみたり
外部に相談を頼ってみたり
そこで働いている人は
しんどい気分なのでは。なんて。
2012/05/04