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丘の上から(小日向次郎)
第63回 節電の話をもう少し
今週も節電のことを書きます。
東京電力管内ではなんとか初夏までの計画停電は
回避されそうです。
日常においても「節電」への協力が周知され、
節電による営業がなされています。
節電営業が始まった当初はやはり「暗い」と感じていました。
会社からの帰路では、
御茶ノ水駅の有名な撮影スポットである
聖水橋のライトアップがなくなり、
御茶ノ水橋も光量が半分以下。
東京メトロのプラットホームも節電のために
半分程度蛍光灯が抜かれているので、
相当暗くなったと思います。
日本テレビ系列の人気ドラマだった「新参者」。
その舞台となった小伝馬町や人形町の街路灯も少なくなり
車の運転も気をつけて信号や地名を見てないと曲がる場所を
間違えてしまいそうになります。
ところが、最近慣れて来たためでしょうか、
「このほうが目に優しいのでは」と思い始めました。
ライトアップしない聖水橋も意外とカッコいい。
神田川を見れば、
散った桜の花びらが町や電車の淡い光に映されて
そこを走る丸ノ内線がロンドンの地下鉄に見えてくる。
丸ノ内線のホームもパリかロンドンの地下鉄を
想像できそうなできないような。
街の光も余分なものを消してもいいのでは。
ただ、過度な節電も控えるべきです。
公共物の中には照度という基準があります。
大体の人が安心して公共の場を移動するには、
ある程度の明るさが必要なのも本当の話。
与えられた環境の中で、
電力を大切にするバランス感覚がより求められる
夏になりそうですね。
2011/04/15