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丘の上から(小日向次郎)
第34回 鉄道賛歌③
自分の鉄道好きは、幼稚園以前に祖父の影響によるもの。
実家最寄駅には都電荒川線が走っているので、
祖父と随分都電に乗ったのを覚えています。
多分鉄道を好きになった原点は、都電や祖父がよく旅行をして
いたことによるものです。
さて、鉄道が好きなので得する点がいくつかあります。
まず、時刻表を教科書以上に読んでいた子供ですので、
地理についてあまり苦労したことがありません。
それと日本史も比較的簡単に入れました。
例で言うと、室蘭本線の起点がどうして岩見沢なのか?
それは、明治の北海道開拓使以降、空知支庁内に多数あった
炭鉱から石炭を室蘭に運ぶ。その石炭が室蘭で製鉄業に
なくてはならないものでありました。
今でこそ単線ですが、当時は複線化されていた1級の幹線だった。
時刻表から話が始り、興味をもった路線の経歴を調べると、
周辺事情と歴史が見え、その点がいくつもできれば面となる。
地理と近現代史を理解するのには、とても有効な教科書では
ないかと考えています。
先日時刻表には各駅で販売されている駅弁が記載されているのを
書きましたが、食文化の特長を考える材料にもなります。
農業も関連してきます。
さて、最近の列車は本当にオシャレになりました。
各車両が誕生するまでの、デザインプロセスを考えることも
本当に面白いと思います。
物理、地学、機械、電気、電子などの理科系統のみならず、
インテリアや車体書かれている字体、車内放送、車内販売での商品群など、
ビジネスや芸術の各パーツに至るまで。
好きな列車がホームに入ってくると子供のように今も興奮するので、
人が一緒の場合は「感情」と「解説」が出ないようにします。
理由のほどはわかりませんが、
好きな路線もあれば乗りたくない嫌いな路線もあります。
いつのっても気持ち良く楽しい列車がある反面、
あまり乗りたくないデザインの列車もあります。
列車が好きなはずの自分ですが、
どうしても乗りたくない車両もあります。
こんなデザインの列車に乗るのなら、遠回りしても
別経路で行きたいなんて感じることもあります。
2010/08/13