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丘の上から(小日向次郎)

第27回 それはそれはカントリージェントルマン

プチ開拓者が住む家の中心にあるのは薪ストーブです。
冬になれば外は氷点下10度にも達します。半年はなんらかの
暖房を使うことになり、連休中もお世話になりました。

前回も話しましたが、別荘ライフは必ずしも楽ではありません。

使用2年目ですが、今でも「うまくいった!」ということは
少なく、無駄に紙や木を使っても火が途中で消えてしまうのも
しばしばです。

薪ストーブに使う燃料は、どんな木でも良いというわけでは
ありません。時間をかけて乾燥させた樹木でないと。

火加減と燃料の入れるタイミングには慣れが必要なのだと思います。
昔に風呂焚きを経験された方や火起こしを知っている人にとっては、
きっと簡単なことでしょう。

来シーズンは、もっと気楽に薪ストーブの使い手になりたいです。

開拓小屋周囲には日常行けそうな食堂やコンビニがありません。
ファーストフード店はなくスーパーやドラッグストアも遠い。

便利なものを手に入れるのには多少の労力が必要ですが、
空気と水については東京で味わえない森の恵みが供給されます。
なによりのごちそうです。

一般の水道水がそのまま飲めるというのは、
世界的にみて恵まれていることです。

金曜日や土曜日になるとふもとのホームセンターでは、
多くのガーデニング材や造園に関係するものを購入する人が
見られます。

多くの人は兼業開拓者と思われます。別に職業を持ち、時間を見つけては
開拓を進めるのでしょうか。

我が士なる白洲次郎は、戦中戦後の食糧難という背景での
カントリージェントルマン。そして、誰もが知る、
中央を凝視しいざとなれば誰よりもボリュームのある
ご意見番となる。
 
日本的カントリージェントルマン(田舎紳士)
はどうでしょう。
 
さすがに政治的ご意見番は少ないことでしょうが、
少々イングリッシュマンっぽいところが出てきている
と感じます。

田舎紳士と聞けば、元来経済的に豊かであった人が
中心であったが、世代による価値観の変化がでてきました。
30代のうちに田舎へ移り住む人、農業へ転職をする人など。
 
経済成長や開発に疲れた大地は、
中央へのご意見番になるほど華やかではないにしても、
日本的カントリージェントルマン(田舎紳士)によって
少し元気が出ているのではと思います。

2010/06/25