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中国名言と株式紀行(小林 章)

第55回 中国・天津にて/中国株日記 (26)

【NO.27】中国、天津にて(26)
当日記も暫くお休みしている内に、中国株を取り巻く情勢にも変化が見られます。

こうしたことを中心に、書いてみます。

私の中国滞在が、当社の事業用設備増設に伴い長期化している内に、天津もすっかり冬の季節です。一緒に日本に来た人が、東京は暖かくて、冬じゃないみたいだ、と述べていたのも、温暖化の影響かと、つい「地球温暖化」を持ち出してしまうのも、流行語に弱いせいかと思ったりします。

この所の軟調な中国市場は、9月より上海総合指数が5500ポイントを挟む展開で、史上最高値の6000ポイントを付けては押し戻され、付けては押し戻されで、波の高い調整局面です。
中国の「股民(ぐーみん)」と呼ばれる、一般投資家は「あいよーうー!」と一喜一憂で、気がきじゃないでしょうね。

この一因は、本土市場の需給要因に有ると見ています。

今年9月の中国本土の株式市場での新規IPOでの調達額は、過去最高の1500億人民元(約2兆4千億円)に迫り、昨年06年の累計額1642億元に単月で迫る勢いです。
10月8日上場の神華能源(SS601088、HK1088)はA株上場で過去最高の659億万元を調達し、更に中国石油天然ガスはその上を行き、668億円(約1兆688億円)を調達しました。
株価は公募価格(16.7元)を163%上回る43.96元で初日の取引を終えましたが、同社のH株等を含めた時価総額は実に9660億米ドル(約110兆円)に達し、これ迄時価総額で世界トップだった米エクソン・モービルの4877億米ドルの約2倍となったのです。

こうした大型の新規IPOブームは更に来年にも続いていきそうです。11月2日中国国務院国有資産監督管理委員会の李主任は、今後3年程度をかけて中央企業(国有企業)の株式制改革を推進し、100社程度の中央企業(国有企業)に統合・再編し随時全体上場を目指すと述べています。

さて、この中国石油天然ガス社の大型上場もあって、ついに11月5日の中国本土市場全体の時価総額は33兆6千億元(約538兆円)となり、あっさりと東証1部の時価総額514兆円を抜いてしまいました。

5日の香港市場の時価総額21兆3千億香港ドル(約320兆円)を足せば、858兆円となり、1千兆円を超えるのも時間の問題となってきています。

しかし、中国本土市場の拡大ペースは想像を遙かに超えて、どこまで拡大するのかと、心配になってきます。目標は米国市場の時価総額2074兆円と言うことなのでしょうか。米国を追い上げる中国の急速な勢いは止まるところを知らなげです。

さて、そこで言いたいのが、現在の中国マーケットの調整局面は、と言うことです。
中国の株式市場は、急激なマーケットの規模の拡大の前で、需給面での調整を余儀なくされていると言うことなのでしょう。
勿論、需給面でのもたもたは、潤沢な中国国内のだぶついた資金の流入によって、解消されて、いずれは再始動を始めるはずです。

ここで多くの紙面を費やしてしまいましたので、次回は中国本土の上場企業の発表された3季(9月期)決算の数字などに触れながら、また述べてみたいと思います。
2007/11/08

 

[コメント]①
Kさんおひさしぶりです。

日記の更新がなかったので、辞めてしまったのかと思っておりました。

本日は香港も大幅下落中ではありますが、あまりあわてず長期的に見守ろうかと思っております。

アリババ、中国石油などのIPOで、日記に書かれているようにさらに急ピッチで市場が大きくなっている中国にやや不安を感じるようにもなってきましたが、Kさんの今後の見通しを是非楽しみにしております。

[コメントへの返答]
どうもご心配をかけてしまったようで、申し訳御座いません。ぼちぼち、更新かけていきますので、ご容赦下さい。

私の運営する食品企業の大規模な浄水設備の増設や国内原料の買い付け等のために地方(湖北省)に出かけていたりと、忙しい日々を過ごしておりました。

仰しゃるとおり、香港市場の落ち込みも大変気になりますね。

私の友人に推薦した銘柄も半値近くまで売り込まれ、大幅ダウンで、若干責任も感じておりますが、中国市場は若干の悪材料が発表されてだけで、大きく売り叩かれる傾向にあります。

実は、後から見るとこの時が絶好の買いのチャンスで、ナンピンを入れておかなかったことを、後悔しがちです。

私もすかさず、買い増しておいてから、友人に連絡を取ってみましたら、戻るまで気長く待つしかないかな、との返事でした。彼は、これ以上の介入を諦めたようです。
私は、この友人の発言聞いて、もう少し再度思い切ってナンピンを入れておきました。

現在、香港には、中国本土だけでなく世界中の遊資が入ってきています。この流れは、これからも続くと考えられるので、不安はあっても、あまり疑心暗鬼になることなく、むしろ投資を継続する方向がよろしい、と思います。

23日には香港有数の投資家である李兆基氏が、約100億HKドル(約1500億円)を中国海洋石油と招商銀行、中国人寿保険、神華能源、香港交易所の5銘柄に投資したと地元紙で報じられました。

今が買い介入の時期なのかも知れませんね。
 
[コメント]②
李兆基氏が投資したニュースはわたしも拝見いたしました。

すでに復調の兆しがある中国ですが、あと1週間くらいは介入にはいい時期かもしれないとわたしも見ております。

短期的に見ると今回の下落もサブプライム時の下落も大きく見えますが、反動も大きく李兆基氏のような投資家などが、買い時と判断し、さらなる資金流入が見込まれるチャンスととらえることができれば、下落による影響が対したことないと思うことができます。
これはなにより私自身が中国市場に魅力や将来性を感じていないとできない考えではありますけど。
同じような考えを日本市場でできるかといわれればNOでありますので。

 

注)この記事は、過去のものからの再録の形で転載させていただいております。時事的に古い話題が取り上げられていますが、内容的には時間の風雪にも耐えられるものと思い、取り上げさせていただいております。

また、記事にコメントやコメントに対する私からの返答が付属されているものもあります。 

2013/02/15