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中国名言と株式紀行(小林 章)
第43回 中国・天津にて/中国株日記 (20)
【NO.21】中国、天津にて(20)
9月の第一週目は、天津で、私にとって中国持ち株(A株)の入れ替えの週となりました。
上海総合指数の上昇率(ここ2年で4倍以上)を下回る、3倍程度の上昇率の道路や電器関連の銘柄を処分し、新たに不動産や医薬銘柄を購入しました。
上海総合指数は、5000ポイントを超えた後も、史上最高値の更新で、先週は一時5400ポイントを付けました。
今後の展開は、予想の範囲を超えますが、欧米、アジアのサブプライムローン問題発覚後の株価下落とその傷跡の醒めやらない各市場の「影」をよそに、中国国内市場は6000ポイント台への高みを目指すことになります。
いわば、中国市場は、他市場の「影」の部分の対極にある「光」の部分を一身に担っています。
お金、とりわけ世界中の遊資というものは敏感で、夜に、この「光」の部分に吸い寄せられる昆虫のように、群がってきます。閉塞感の漂う市場を避けて、チャンスの多い市場に向かうお金が多いのは当然の理です。
株の世界には「人の行く裏に道あり、花の山」という言葉があって、たまに勘違いする人は、この閉塞感漂う市場にもあまり人が行き来しなくなったので「花の山」を夢みて、変にこだわる人がいます。
この場合「人の行く裏」とは、誰も気づかないうちに新興市場に、いち早く投資を行うとか、お金の向かう市場にチャンスの多いことを見いだし、人の気付かない分野に投資するとか、いうことを指すのです。
8月29日付けの中国各紙は「香港株式市場を含めると、中国の株式時価総額は、すでに日本を追い抜いた」との英ファイナンシャルタイムズの報道を比較的大きく報じていました。最近の本土マーケットの売買代金も、アジアその他の市場の総和を超えている、とも伝えています。
先月28日終値ベースで株式時価総額は、日本が4兆7千億米ドル、中国が4兆7200億米ドルとなっています。
「中国の資本市場は長期的に見て有望。2017年までにA株の時価総額は4兆5千億米ドルを超え、世界3位に躍進する」とのクレディ・スイス・ファースト・ボストンのアナリストの予想も載せていました。
これを裏付けるかのように、中国本土に上場する企業で、8月31日迄に中間決算を発表した企業は1503社で、売上高総額は3兆5366億元に上り、1-6月国内総生産の33.12%に達した、と言われています。
全体の企業平均の売上高は28.56%の増収、純利益は69.87%の増益でした。
また、8月30日迄に1-9月期の業績見通しを発表した462社の上場企業中62.12%が業績の改善や向上を予想しています。
更に、9月末か10月にはA株市場では、市場最大規模の中国建設銀行のIPO(新規上場)が控えています。
中国本土市場は、過熱感はありますが、まだまだ当面へこむ状況には無いと言えるでしょう。良い材料ばかりを取り上げている、との誹りは甘んじて受けますが、この所の消費者物価指数の急上昇等の数値を検証してみても、まだまだコントロール可能な段階にあり、逆に中国国内の消費市場の拡大は確実になってきており、将来に於いて経済の悪い材料を探すのが、難しいのが現状でしょう。
2007/09/09
[コメント]①
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お金、とりわけ世界中の遊資というものは敏感で、夜に、この「光」の部分に吸い寄せられる昆虫のように、群がってきます。閉塞感の漂う市場を避けて、チャンスの多い市場に向かうお金が多いのは当然の理です。
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はじめて聞いた言葉ですけど、まさにそのとおりな気がします。「人の行く裏に道あり、花の山」というのも大きい山の山道でなければ、どんなに頑張っても高いところまでいけませんからね。
8月29日付けの英ファイナンシャルタイムズの報道はわたしも読みました。
わたしが思っているより中国では遥かに大きく報道されたことでしょう。トヨタがGMの生産量を抜くみたいな感じで。
注)この記事は、過去のものからの再録の形で転載させていただいております。時事的に古い話題が取り上げられていますが、内容的には時間の風雪にも耐えられるものと思い、取り上げさせていただいております。
また、記事にコメントやコメントに対する私からの返答が付属されているものもあります。
2013/01/22