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中国名言と株式紀行(小林 章)

第37回 中国・天津にて/中国株日記 (17)

【NO.18】中国、天津にて(17)
ここ天津は、残暑は多少残るでしょうが、暑さもほぼピークを過ぎて、これからは過ごしやすい季節に急速に入っていきます。天津の秋と春は長くても1、2週間程度しかありません。

大陸の秋は、ほんとうに大変短くて、あっという間に過ぎ去ってしまいます。

中国、天津にいる間に、中国本土の株価は、印紙税の切り上げ、預金利子課税の20%から5%への減免と普通預金利率の引き上げ等の政策変更に翻弄されて、一時は21%の下落(5月29日の4335ポイントの史上最高値から3404ポイントへの下落)を経て、7月26日の4371ポイントという史上最高値更新後、本日8月7日の終値は4651.22ポイントと4日連続の史上最高値と調整局面無しの1本調子の高値を追う展開になっています。

この株価水準は、他のマーケットを寄せ付けない程の状況に突入しつつあります。

2年前の05年6月6日の上海総合指数は998.23ポイントと、最安値を付けましたが、そこから比較しても、実に4.66倍に本日の株価は急騰したことになります。

僅か2年で4.66倍ですよ。「4.66倍」は主要銘柄の平均株価です。

ちなみに、私の持ち株(A株など)で見ても、この「4.66倍」を上回る株価で、7倍から10倍になっているのは、例外なく金融株と不動産株ですが、自動車株もがんばってくれています。平均株価の「4.66倍」以下の高騰銘柄では、電力、高速道路などインフラ関連は振るいませんでした。

年初から今年4月末での、他のアジア諸国の市場の状況は、韓国7.51%の上昇、シンガポール13%の上昇、マレーシア21%の上昇、ベトナム23%の上昇、台湾0.66%の上昇、香港ハンセン指数1.77%の上昇ですが、中国上海総合指数は43.57%上昇、深圳総合指数93.39%上昇、上海B株78%上昇と、中国マーケットでの株価指数の上昇はダントツです。
(ひとり蚊帳の外の東京市場、気遣う気すら起こりません)

2002年から2004年の2年間の上海市内のマンションの価格は、約4倍に上昇していますが、2005年6月から2007年4月末で上海総合指数は3.8倍になり、ようやく不動産価格の上昇に株価の上昇が付いてきたということになります。

ある日本の著名アナリスト氏は、雑誌や著書に、中国株については「既に高値水準にあり、これ以上の高値を期待できるのか」「既にバブル状況にあり、過度の値上がりは望み薄だ」というのが年初での見解でした。見事に予想を外しても、日本株分野では、まだ著名アナリストとして通用しているようです。失笑を禁じ得ませんね。

中国国内では、既に秋の全人代(日本の国会に当たる)と来年の北京オリンピック開催という大イベントを睨んだ相場に移行しており、相場は強気で、今後の急速な下げを予想することは、困難な状況になっています。

ちなみに、私の予想ですと、B株はA株の堅調な業績予想を受けてA株の上昇を超える展開は望み薄ですが、大きな上下は予想されるでしょうが、そこそこA株の上昇に引きずられていく展開になるでしょう。B株は、優良銘柄以外に手を出さなければ、比較的安全な投資効果が期待できるように思われます。

香港のH株やレッドチップ株は、香港市場の性格上、米国相場にしばらくは翻弄される展開となりますが、一服感が漂う10月前には再びA株の上昇につられて、上昇に転じるのではないでしょうか。
ということは、現在の下げ、ないし調整局面では、絶好の仕込み場ということになるでしょう。
やはり注目は、金融と不動産、更に好業績な成長株が本命です。
2007/08/07

[コメント]①
すごい運用成績ですね。
わたしは、計算してみたら3倍程度でした。
「4.66倍」を下回っていうことに、はじめて気がつきました。
もっと勉強しておかないとダメですね。
天津はもう秋に向かっているのですね。
ここ東京は今日も30度をはるかに超えてまだまだ
暑さが続きそうです。

[コメントへの返答]
もうすぐお盆休みに入りますね。毎日、暑い日が続きますが、体調は万全ですか。お休みを有効に生かして、英気を養って下さい。体調が整ってこそ、普通の大事なバランス感覚や良き発想や最善の判断が得られるのだと思います。

昨日の上海総合指数は、5連騰となり、4700ポイント後半の流れでしたが、今日10日は小休止の前日の指数を0.1%下回るところで相場は終えています。

今日も欧米の相場やアジア周辺(香港市場も含め)の各相場は大幅に平均指数が下落しているようですが、中国本土市場は殆どその影響を受けた形跡はありません。

香港市場は、本土市場とは異なり、欧米、とくにNY市場の影響を受けやすいマーケットなので、住宅へのサブ・プライマリーローン問題に翻弄されて、市場は下げに下げていますが、中国株関連の銘柄には何の問題もないので、この問題への一服感が漂い出せば、すぐにも株価は回復に向かうでしょう。

中国本土系の上場企業の半期の決算発表が出始めていますが、総じて好業績銘柄が多く、本土の法人税率も33%から24%へ引き下げられる効果もあり、企業収益に楽観的な流れが持続しています。

やはり、注目は香港市場へ上場するH株をはじめとする中国企業でしょう。この市場下落は、優良株を安値で拾えるチャンスだと思っています。資金に余裕があれば、恐れず買い増しを視野に、銘柄選定の勉強も、この休みの機会にどうでしょうか?

暑さに負けず、くれぐれもご自愛下さい。

[コメント]②
法人税の10%ダウンはすごい効果を呼びそうですね。
昨日、テレビを見ていたら北京五輪に向けて開発中の北京市内の映像が流れておりました。
(五輪のために住人が強制立ち退きを余儀なくされているという内容でしたが・・・。)
一部ではそういうこともあるのでしょうが、全体的にみると開発は順調なようでまだまだ建設、鉄鋼の特需は見込めるのではないかと思ってしまいました。
やはり映像で確認すると発展は目覚しいものがありますね。
なかなか日本からだけの情報だと優良企業かどうかの情報に乏しく、有名な企業だけに手を出してしまいがちですが、なるべく有名でないけれど優良企業というのを探してみたいと思います。

 

注)この記事は、過去のものからの再録の形で転載させていただいております。時事的に古い話題が取り上げられていますが、内容的には時間の風雪にも耐えられるものと思い、取り上げさせていただいております。

また、記事にコメントやコメントに対する私からの返答が付属されているものもあります。

2013/01/10