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中国名言と株式紀行(小林 章)

第30回 中国・天津にて/中国株日記 (14)

【NO.15】中国、天津にて(14)
私の天津での居住スペースには「海河(はいほう)」という運河があり、天津の代名詞にもなっていますが、川辺の生活は、夏でも一服の清涼感と潤いをもたらしてくれます。

この川には「金鋼橋(ちんがんちょう)」という橋が架かっています。この橋は、かつて中国人の自力で架けられた橋が架かっていましたが、交通の拡大を考えて、当時先進のドイツの技術を取り入れて、鉄骨組のアーチ型の橋が掛けられました。
しかし、自力で架けられたみすぼらしい橋の方も、天津人には何とも棄てがたく、鉄の橋の傍らの小さな公園に今も記念碑と共に移設してあります。

この狭い公園でも、朝になると老人会の蒼々たる健達な男女がおのおのの剣やボールなどを携えて来て、ゆっくりした武闘のスタイルの中国式体操に勤しんでいます。
こうした、ちょっとした広場には、ご婦人方の団体がリーダーの合図で音楽に合わせてダンスが始まったり、健康ブームの高まりは、なかなかのものです。

この公園の隣にも病院があり、先月は、朝突然の高血圧気味で妻が診断をしてもらったこともあり、先生に聞くと、50前後で更年期のせいもあるのでしょうが、身体の不調を訴える人も多いのだそうです。
 
今でこそ、自家用車通勤が増え、会社への通勤に自転車で毎日40分とか、満員で立ちっぱなしのバスに揺られて1時間とかいう庶民も多いのです。この所の都市建設ラッシュでで、道路も埃っぽく、都市全体も霞んだ感じで、空気も汚染が進んでいるようです。

まあ、こうした状況は、身体に良いわけがありませんし、ストレスも助長するでしょう。

中国の庶民は、食生活でも野菜炒めや揚げ物など油を多く使用したものが主食ですし、季節野菜の他に豚肉を初めとする肉類も多く消費します。

外からも内からも身体に負担の多い状況ですから、病気も多く、死亡年齢も日本より10~20年は確実に低いでしょう。そういう訳だからでもないのでしょうが、中国人は、意外に健康に敏感で、健康薬、健康酒、健康食品、健康器具の類が多いように感じます。

乳製品も、体の発育によいとの理由で生乳を飲む習慣が小学校から始まり、あっという間に(ここ2、3年で)、全国規模で爆発的に家庭でも消費されるようになってきました。

天津でも各家庭の入り口には、日本ではめっきり減ってしまった、朝牛乳を入れるプラスチックや木製のポストが設置され、伊利や光明乳業、最近ではシェアトップの伊利集団から独立した蒙乳が勢いがあるようです。地元のブランドもがんばっていますが、勝負はやはりこの三社が強いようです。

元々乳業会社は、生乳品自体の扱いは少なく、生乳を使用した加工品(粉乳や練乳やアイスクリーム等)が主商品でしたが、子供や老人の栄養補給と健康ということで一気に「牛乳」需要に火がつき、各社猛烈な営業合戦が始まりました。
各社はいずれも上場しており、このところ株価も高く、各社の財務諸表は軒並み大幅増収増益で好業績となっています。
2007/07/15

[コメント]①
中国の朝というと、公園で太極拳のイメージがあります(笑)
どこでもそういうわけではないのでしょうが、映画の影響ですね。

中国での生活でKさんがそう感じられるということは、健康食品系の企業に注目ですね。
そういった生活に根付く情報などを発信していただけると非常にためになります。
いまから牛乳銘柄に手を出しても遅いかもしれませんが、派生して影響ありそうな企業を発掘しようと思います。

 

注)この記事は、過去のものからの再録の形で転載させていただいております。時事的に古い話題が取り上げられていますが、内容的には時間の風雪にも耐えられるものと思い、取り上げさせていただいております。

また、記事にコメントやコメントに対する私からの返答が付属されているものもあります。 

2012/12/29