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酒の道、食の道(金城拓)

第24回 てんまみち 酒蔵めぐりツアーin九州② 〜千代の園編(1)

熊本空港に降り立つと、てんまみちの社長さんが
笑顔で迎えてくれます。

ここからはバスでの移動となりますが、
今回のバスはこの日の宿泊先の
鶴荘さんの送迎バスです。
鶴荘さんは佐賀県にある旅館なのですが、
わざわざ熊本まで来ていただいてます。

早速バスに乗って早速寝ます(笑)
そして起きたらそこは
千代の園酒蔵さんです。

蔵を見学させていただいてすぐに、
珍しい光景に出くわしました。
ちょうど杉玉を作っていたのです。

杉玉というのは造り酒屋のまえにつるしてある、
杉の葉をくす玉大に丸く固めたものです。
新酒が出来ると新しく作ってつるすそうです。

普段はすでに茶色くなったものしか見たことがないのですが、
作り途中とはいえ、青々とした杉玉は、
新酒の季節にふさわしい、フレッシュな感じを抱かせるものでした。
これがお酒の熟成とともに茶色くなっていくわけです。

作り方は針金で型を作り、杉の葉をさしていき、
ハサミで丸くなるように切りそろえます。
こう書くと簡単そうですが、まん丸にするのは
ある程度技術や慣れが必要そうです。

さて、蔵見学の醍醐味といえば、
出来立てのほやほやの新酒を試飲させてもらえることですが、
それ以上に楽しみなのが、醪(もろみ)が飲めることです。

醪というのはお酒を絞る前の状態です。
醪を絞るとお酒になり、搾りかすが酒粕となります。

基本的にはどぶろくと一緒ですので、
一般には販売できません。

醪には乳酸菌がたくさん含まれていますので、
まろやかでコクがあります。
燗にすると味が開いて、さらにおいしくなります。
(もちろん元のお酒が美味しい、というのもありますが)
蔵見学に来て良かったなぁ、と思う瞬間です。

2006/03/29