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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)
第80回 協力しあうとラク
以前出入りしていたオフィスで
気になることがありました。
10名前後のスタッフしかいないのに、
お互いに「これは私の仕事だから口出さないでね。
文句があるならいってごらん。」
「俺の仕事じゃないから、しらねーよ。
下手に口だして、とばっちり食ったら敵わない。」
というオーラがビシバシ出ていました。
協力体制全くなし。
たとえば、電話ひとつにしても
受話した人は
「はい、はい、はい、承知しました。では。」
と切ってから、関係者に連絡。
10名しかいない部屋だからみんなに聞こえます。
「え〜、その人だったら伝えたいことあったのに。
いまからあらためて電話したらヘンだよね。」
「あ〜、その人の場合はちがう対応しようと思ってたのに。」
と余計な手間が増えたようです。
お互いに嘆息。
自分の立場では、彼らにどういう働きかけも
しようがない位置づけでしたけれど、
そこで電話を受けるときは
「はい、○○さま、いつもお世話になってます。
はい、△△の件ですね。え、変更をご希望?
何月何日の何時に、、、ハイ、承知しました。」
という具合にしました。
もちろん、相手の名前や用件を復唱するのは
ミスを防ぐため、相手の安心のためでもあります。
でも、特に意識したのは、周りにいるスタッフ達に
誰と何の用件で話しているのか、わかるようにしたこと。
はじめのころは、それでも誰も聞き耳を立てる
そぶりもありませんでした。(関与しないほうが、
仕事が増えなくてすむから、聞こえないフリ)
が、次第に、電話対応中に
「あ、その方だったら替わってください。」
「その日は無理です、違う日に。」
と目線やメモで彼らから反応が来るようになりました。
そうすることで、結果として余計な手間が減ったり、
先方にもこちらにも、便利にことが運ぶことが
わかってきたようです。
だんだん、その習慣が違和感がなくなると
真似して話の内容がわかるように復唱する人も。
他のスタッフも電話中にカレンダーや資料を寄せたり、
スッとさりげない協力をする場面も
見えるようになりました。
わざわざ作業の手を休めて聞き耳を立てろとか、
こういう取り方しないのは出来ないヤツだ、とか
そういう大げさなことではありません。
それでも、ちょっとオフィスの雰囲気や
人間関係を改善するきっかけになったかな、
協力し合うとお互いに楽になるってことを
気づくきっかけになったかな、と思います。
2005/11/11