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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第78回 募金

おかげさまで、
生まれてみたら平和な場所で、
多少不具合があってもまぁ健康な身体で、
しかも経済力の豊か(といわれている)な国でした。

ラッキーなことに義務教育以上の教育まで受けて
選り好みさえしなければ、働く場には困りません。

食べるもの着るものがなくて困ったこともありませんし、
体調が悪くなればいつでも病院に行ける、
そんな環境が当たり前のように感じてしまいます。

でも、
同じ地球上に生を受けても
生まれてみたら紛争地域だった、
本人または保護者が病気だった、
貧乏だった、教育が受けられない、仕事がない、
衣食住に不自由な上に、医療が整っていない、
という人がどれほどたくさんいることか。

海の向こうのことだったり、
肌の色が違ったりすると、
なんとなく他人事と感じてしまうかもしれないけれど、
お母さんのおなかの中で命をもらったとき、
神様がちょっと差配を変えていたら、
もしかして自分があそこにいたかもしれない。
ちょっと考えれば、
本当に紙一重だし、“隣の人”と感じます。

聖人ではない自分は正直言って、
「あー、よかった、あの世界ではなくて、
この世界に過ごすことができて」と思ってしまいます。

同じ痛みを分かち合うことはできません。
何が彼らのためになることか、よくわかりません。
自分が何か、彼らにできることがあるか、わかりません。

考えれば考えるほど、例えば募金なんか、
彼らの役には立たないんじゃないか、
と思うこともあります。

でも、他にできることも思いつかないので、
彼らの生活の質が向上しますように、
彼らの命が輝きますように、
とねがって、いくばくかのお金を毎月
募金することにしています。

お金を払えば解決することじゃない。
傲慢になってはいけない。
哀れんでも相手に失礼。
でも、思っているだけじゃ、相手に伝わらない。
行動をしなければ、思いを寄せてないのと同じ。
そう思うから、
今月も無事お給料をいただいたら、
すぐ募金。お金に想いを託して。

2005/11/09